135話 早く昇れる方法
第137章
「いよいよ大変な昇り方ですね」
「確かにそうです。これは上半身をかなり鍛える必要があります。足を使用しないで昇っていくからです」
「足をロープにのせることができない登り方ですね。腕だけの力で昇っていくわけですね。腕だけに体の重さが全部かかってしまう昇りかたですね」
「そうです。サーカスに近い昇り方かもしれません。しかしもちろん空中でロープをつかんだままで芸をするわけではありませんけれどね」
「しかしやるしかありません。先生」
「ではちょっと待っていてください」
コーチはしばらくすると大きなマットを持ってきた。
「このマットを床に敷いて練習します。腕の力だけでロープを昇っていくわけですからね」
「持ちこたえられなくなってしまった時のためですね」
「そうです。では練習をしましょう。最初は2メートルぐらいで練習しましょう」
「たったの2メートルですか?それだけでしたら簡単に終わってしまいます」
「立ったままでロープをつかんで昇るのではありません。座ったままでロープをつかんで昇っていくのです。つまり座って体を90度の角度にして両方の足を前にまっすぐ伸ばしたままの格好で昇っていくのです」
「そういうことですか」
「これは高いところから落ちた時のことを考えてみてください。体をまっすぐにしていると落ちた時、足の下から落ちていきます。そうすると落ちた時、足が床から受ける衝撃がひどいものになります。たとえ床に大きなマットを敷いている場合でもです」
「はい、わかります」
「しかし体を90度の角度に曲げていれば、落ちた時、臀部から落ちていくため足を守ることができます」
「そうですね」
「しかし慣れたら立ったままで昇ることもできます。しかしこの場合でも立ったままロープをつかんだらすぐに両方の足を前のほうに水平に伸ばし、体を90度の角度にします。このようにしながらロープを昇っていくのです」
「イメージがつかめました」
「では練習してみましょう」 つづく
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