134話 昇れるようになった
第136章
「では私もやってみます」
「ではこの箱に座ってください」
「はい」
「両方の手で頭の上でロープをつかんでください」
「こうですね」
「はい。右足首の外側をロープの左側、藤枝さんから見た左側です、そこにつけてください」
「はい、つけました」
「今度は左足首の外側をロープの右側につけてください」
「はい」
「そして左足首の甲の上にロープをのせるようにして、右足首の内側にロープを持っていきます」
「はい」
「そして左足首を右足首よりも高く持っていきそのまま右足首の甲の上にロープをのせます」
「やりました」
「そしてそのまま左足首の下側と右足首の甲の間でロープをはさむのです」
「はさみました」
「これでこのまま楽にロープにぶら下がることができます」
藤枝は腰かけていた箱から体を離すと、ロープにつかまったまま空中でぶらぶらすることができた。
「あ、これはいいですね。これならば昇れそうです」
「そうです。このようなやり方を何回も繰り替えしていけばいいのです」
「はい」
「ではその繰り返しの練習をします。ロープをつかんだまま体を後ろにかがめてください(vous allez vous pencher en arrière)」
「かがめました」
「そして両方の膝を持ち上げてさっきと同じなようにロープを足首で固定していけばいいのです(vous allez monter vos genoux et faire exactement pareil)」
「そういうことですか」
「こうすることの繰り返しでどんどん上に昇っていくことができます」
「ではやってみます」
こうして藤枝は何回も練習をしていった。何回も練習をしていくにしたがって彼女はうまく昇れるようになっていった。
「このやり方でしたら昇ることはできます。しかし藤枝さんはできるだけ早く昇りたいと言ってましたね」
「はい」
「このやり方だと昇ることは確かにできますが時間がかかります。そこで今度は時間のかからない方法を練習をしましょう」 つづく
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