122話 バメバル練習開始
第124章
藤枝はフランス人コーチにグランドに連れていかれた。グランドは走る部分は赤茶色でそこに白いラインが円形にひかれていた。円形といっても直線のある円形である。丸い円形を半分に切って、それらを直線でつないだような円形ということである。コーチは藤枝に目の前に広がるグランドを示しながら言った。
「見てください、藤枝さん。このコースは一周400メートルあります。このようにあなたがこれから走るコースには20メートルごとに標識となる三角すいの形をしたコーンが置かれています。このコーンは一定の時間ごとにピーと鳴る仕組みになっているわけです。そしてその時間間隔はどんどん早くなっていきます。そのためあなたは走るスピードをどんどん速くしていかなくていけません。そうしないと間に合わなくなるからです」」
「はい、わかりました。ピーと鳴るまでにコーンを通過してないといけないのですね」
「そうです。では具体的に走るスピードですが、まずはウォーミングアップで8キロメートルの速さで2分間走ります(echauffement, 2 minutes à 8 km/h) それから1分ごとに0.5キロメートルずつ走るスピードを速くしていきます。そしてこの一分ごとが一段階となります(puis + 0,5 km/h par palier d'une minute)」
「はい。一分ごとにスピードを0.5キロメートルずつ早くしていかないと、ピッという音に間に合わなくなってしまうのですね」
「そうです」
「だから間に合うように速く走らなくてはいけないのですね」
「そうです。ですから時間がたつにつれてどんどん走るのが苦しくなりますががんばってください」
「がんばります」
コーチは藤枝を、スタートラインに連れて行った。
「では始めますよ」
「はい」
「用意(préparez votre départ) 5,4,3,2,1、スタート!(c'est parti !)」
藤枝はゆっくりと走り出した。 つづく
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