121話 バメバルの練習

第123章

「藤枝さん、次はバメバルですね」

「はい、お願いします」

「これは少し説明が必要なので教室に来てください」

 藤枝は教室の中に連れていかれた。壁にトラックの大きな図表がはられていた。フランス人コーチはこの図表を示しながら説明を始めた。

「この図表に描かれているトラックは400メートルあります。ここのスポーツジムにあるトラックです。藤枝さんがこれからバメバルの練習をしてもらうトラックです。この走るコースには20メートルごとに三角すいの形をした赤いコーンという標識物が置かれています。このコーンは、一定の時間ごとにピーっとなる仕組みになっています。藤枝さんはこのピーと鳴る前にこれらのコーンを通過していないといけないのです。バメバルはこのようなトラックレースです(c'est une epreuve de course a pied sur piste)」

「わかりました」

「ここで重要なことは、このピーという音ですが、この音は時間がたつにつれて早くなっていくことです。ですから藤枝さんはどんどん走るスピードを速くしていかなくてはいけないのです。もし間に合わなくなってしまったらそれで失格になります。その時の段階があなたの成績となります」

「わかりました」

「普通スタート速度は時速6,8,10,12キロメートルがあります。藤枝さんは8キロで練習するのがいいと思います」

「そうですか」

「そこでこれから次のようにして練習をします。まず時速8kmから走り始めます。そして2分間走ります(elle débute à 8km heure pendant deux minutes) 」

「歩く速さの2倍くらいの速さですね」

「そうですね。その後は1分ごとに時速0.5kmずつスピードを増していきます(elle augmente de 0,5 km heure chaque minute par la suite)」

「最初は体を慣らして、それから次第にスピードをあげていくわけですね」

「そうです。ではグランドに行きましょう」   つづく


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