119話 腕立て伏せ訓練開始

第121章

「起きてください、もう疲れたのですか」

「うーん……」

「藤枝さん、起きましたか」

「え?ここはどこですか」

「スポーツジムではありませんか、藤枝さんが今日入会したばかりの」

「あ、そうでした。何してたんでしたっけ」

「腕立て伏せですよ。26回どうしてもできるようになりたいと言ってたではありませんか」

「あ、そうそう思い出しました。では先生これから特訓よろしくお願いします」

「わかりました。ではこれからがんばりましょう。腕立て伏せを」

「はい」

 藤枝は、水泳教室が終わるとスポーツジムにも通うことにしたのであった。日本にあるスポーツジムであるがフランス人の先生について訓練を受けることになった。

「このくさび、かいものとも言うみたいですがこれを使用して訓練をします」

 フランス人の先生は直方体の形をした木でできたくさびを示しながら言った。底は10センチの正方形で長さ30センチくらいのくさびであった。先生はこのくさびを横長の形で床に置いた。

「このくさびの上に胸が来るようにして、このくさびにぶつからないようにして腕立て伏せをしてもらいます。いいですね」

「はい」

「では体をまっすぐにしてこのくさびの上に体を置いてください(se placer derrière la cale le corps rectiligne)」

「こうですか」

 藤枝はくさびが胸の下にくる位置で体をまっすぐにして肘を伸ばした状態でじっとしていた。

「そうです、では息を吸いながら体を下ろしていってください(vous descendez en inspirant)」

 藤枝はゆっくりと体を下ろしていった。そっしてくさびが胸にあたらないところで肘を曲げたままじっとしていた。

「では、息を吐いて(vous soufflez) 肘をあげて(vous deverrouillez les coudes)」

 藤枝は少しずつ肘をまっすぐにして体を起こしていった。

「そうです。その調子です。これを何回も練習するのです」

「わかりました」

 藤枝はこの調子で何回も腕立て伏せの練習をしていった。   つづく

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