109話 ロープクライミング
第111章
「そのほかの体力試験にロープクライミングというものがありましたね」
「そうだね」
「ロープクライミングってどのようにして行わられるのですか」
「一本のロープを手と足だけの力で登っていくもの。一本のロープが天井からぶら下がっているわけ。それを登っていくわけ」
「オリンピックの競技にあるスポーツクライミングのようなものですか」
「それとは違う。オリンピック競技のスポーツクライミングというのは垂直の壁を登っていくことだけど、明日の体力試験のロープクライミングは、壁を登っていくことではなくて、ロープそのものを登っていくことだから」
「手でロープをつかんで足でロープをはさんだりして登っていくわけですか」
「そうでしょうね。そして手でロープを引っ張るようにして上へ上へと登っていくわけだね」
「どのくらいの高さまでですか」
「6メートルくらいだったかもしれない。これをできるだけ早く登っていかなくてはいけない体力試験だったみたい」
「どのくらいの時間で登っていかなくてはいけないのですか」
「5秒以内であれば、満点の20点みたいね(vous avez 20 en faisant moins de 5 sec bras et jambes)」
「5秒ですか。それはいくらなんでも無理ですよ」
「だからそれは満点の場合。別に満点取らないと不合格になるというわけではないから」
「このロープですが、映画で見たことがあります。『眼下の敵』という映画です」
「アメリカ海軍の駆逐艦とドイツ海軍のUボートが戦う映画でしょ」
「そうです。その映画の中で、ドイツ海軍のUボートの艦長がロープにぶら下がってアメリカ海軍の駆逐艦まで脱出するシーンです」
「自分が乗っている軍艦から別の軍艦に乗り移るためにロープにぶら下がっていくようなことは実際にあるみたいだね」
「そうですね。それ以外にも、このロープというものは船ではとても重要なものみたいですからね」
「船を岸壁に固定するために使用されたり、救助のために使用されたりね」
「それでこのロープクライミングという体力試験があるのですね」
「たぶんね」 つづく
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