108話 体力試験対策
第110章
二人は食堂から宿舎に帰ってくると、消灯時間までさっそく明日の試験対策を始めた。
「まずは何といっても明日の午前中にある体力試験をどうのりきるかですね」
「そうだね、かなりハードルが高いそうだからね」
「最初の腕立て伏せ。これは何回ぐらいできないといけないのでしょうかね」
「これを見て」
「何ですかその用紙」
「これはフランス海軍の女性体力試験基準一覧表(Bareme feminin des epreuves du controle de la condition physique generale)」
「たくさん数字が書いてありますね」
「そう。この用紙の中に腕立て伏せの回数とその点数が書いてあるから。ただしこの一覧表は任期付(4年間)将校採用試験の受験生(candidature Officiers Specialises de la Marine Sous Contrat[OSM SC])つまり法律(droit)、財務(finance)、監査(audit)、数学(mathematiques)、IT、 通訳(interprete)、翻訳(traduction)などの特別の専門知識を持つ受験生に適用される基準みたい。だからもちろんここに書いてあることがそのまま明日のあたしたちの体力試験にも適用されるのかはわからないけれど参考にはなると思うよ」
「どのようにしてみていくのですか」
「腕立て伏せの回数(pompes en nombre)とその回数に対応した得点が書いてあるわけ。満点は20点。39歳以下の女性の場合は26回で満点の20点。25回だと19点。16回だと10点。9回だと3点。こういう具合。49歳以下の女性の場合は、20回で満点の20点。19回だと19点。10回だと10点。50歳以上の女性の場合は14回で満点の20点。13回で19点。7回で10点」
「でしたらあたしたちは何としても26回が目標ですね」
「そういうこと」
「ドロンさんのような男子はどうなのですか」
「男性体力試験基準一覧表(Bareme masculin des epreuves du controle de la condition physique generale)によると、39歳以下の男性は50回で満点の20点。49歳以下の男性の場合は、38回で満点の20点。50歳以上の男性は、27回で満点の20点みたいね」 つづく
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