104話 検査始まる

第106章

 二人が検査室の中に入るとさっそく普通の健康診断が始まった。まずは身長と体重が測定された。次に眼科検査であった。大きな望遠鏡なような器具を覗き見るようにしての検査であった。そこから見える図形の線が開いているところを言い当てるものであった。次に聴力検査であった。大きなヘッドフォンをかぶり左側または右側に音が聞こえ次第合図をするというものであった。次は血圧検査。大きな包帯のようなものを腕に巻いての検査であった。その次に採血検査であった。腕に針を刺してそこから血液を取り出すというものであった。

 これらの検査が終わると別室に連れていかれた。その中に入るとベッドがありそこに軍医がいた。白い上着を着てネクタイをして首に聴診器をぶらさげていた。ベッドは台座の部分は白色、体を横たえるところの上側は青色になっている。その青色の上側に縦に細長い白いシーツが足元から頭のところまで敷かれていた。シーツの横幅はベッドの横幅よりも短いため15センチほどベッドのほうがシーツよりはみ出ていた。つまりベッドの青い上側の左右にはシーツが敷かれていないため青色のベッドの地がそのままの状態であるということであった。

 二人はこのベッドの上に横になり、まず心電図検査が行わられた。その後、体全体の状態を軍医が検査していった。これで健康診断が終了した。二人はまた待合室でしばらく待つようにとの指示を受けた。二人はまた『Cols bleus』の雑誌を読みながら待つことにした。

「この結果がもし悪かったら明日の体力試験、受けることができないのでしょうかね、ジャンヌ」

「たぶんね」

「体のほうは特に問題なく動きます。だから明日の体力試験十分できる自信はあります」

「よくわからないけれど何か特別の基準でもあるのかもね」

「これは選抜試験だからかなり厳しい条件でしょうかね」

「さあ、それよりこれから先トゥーロンで行わられる航空身体検査、こっちのほうがきびしいみたいね」   つづく


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