97話 英語口述試験は1か月後

第99章

 藤枝は部屋の中に入るとすぐに挨拶をした。

「Good morning. My name is Yukiko Fujieda」

「今日は英語の口述試験をしません。ですから英語で話す必要はありません」

「はい、わかりました」

 英語の試験官は一枚の用紙を渡した。

「これはあなたの英語の口述試験の予定表です」

「1か月後ですか」

「そうです。試験はインターネットのスカイプで行います(L'entretien se deroule par visioconference via skype)」

「ということは自宅での試験ですか」

「そうです。ですから試験の日は必ずあなたの部屋にいてください」

「日本の私の部屋にですか」

「そうです」

「わかりました。試験時間は午前の10時ですね」

「そうです。しかしそれはフランス時間です。日本との時差に十分気を付けてください」

「はい、確かフランスと日本の時差は7時間でしたね」

「そうです。ですからあなたは日本で夕方の5時に受験することになります」

「わかりました」

「何か質問ありますか」

「いえありません」

「ではもういいです」

「ありがとうございました」

 藤枝は部屋を出て行った。藤枝が外に出るとジャンヌがやってきた。

「どうだった」

「1か月後になりました」

「よかったじゃない。それだけの期間があれば十分に練習することができるよ」

「確かにそうですね、少し安心しました。これだけの時間があれば、自己紹介の練習だけではなく質疑応答問題の対策もできます。さらに英語ニュースを聞いての問題の対策もできます。つまり聞いた内容を要約してそれに対しての自分の意見や感想を述べる問題の練習もできそうです」

「試験のやり方はどうだった」

「在宅受験だそうです。スカイプを利用しての」

「だったら落ち着いて試験に臨むことができるね」

「この試験何とか乗り切れる自信が出てきました」

「では英語の口述試験はこれからの課題として」

 しばらくして藤枝達受験生全員が英語の試験官との面接が終わると、先輩上級生が言った。 

「次は健康診断です」  つづく

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