91話 試験会場に行くまでの直前対策

第93章

「そうですか、それはよかったです。しかし少し夢の中で今日の英語の面接試験の対策をしてきました。これで少しは何とかなりそうです」

「どのように試験対策してきたの」

「話を5分間持たせる方法を夢の中で教わってきました」

「どうすればいいって」

「自分の現在、過去、未来、願望、このような順番に話していくといいようです」

「自分の過去それから現在ではなく、まず現在を話してから、そして過去を話すというわけね」

「そうみたいです。そして現在はそれをさらにいくつかに分けて話すようです。そして過去も、未来も同じようにそれぞれいくつかに分けて話すようです」

「どんなふうに」

「現在について話すときは、まず日常生活について話す。二つ目は自分の好みや趣味について話す。そして三つめは自分がよく知っている人や場所について話す。こういう感じです」

「じゃあ過去は」

「比較的今に近い過去、かなり昔の過去、過去によくやっていたこと、習慣ですね、このように分けて話すといいようです」

「では次は未来」

「今に近い未来とそれ以外の普通の未来に分けていくといいようです。そしてどちらも実現可能なことを話すようです」

「過去はもちろん現在もすでに実現していることだけれど、未来はまだわからないからね」

「はい、それで可能性があることを話すようです」

「それで最後は願望かあ」

「そのようです。可能性があるのかまるで解らないことです」

「これが話して一番楽しいことだね」

「そうですね。しかし残念なことに自己紹介をするときは、この一番楽しくて話したいことが一番少なく話さなくてはいけないことだそうです」

「自己紹介というのはその人の現実の姿を知るためのもので、実現可能性があるかわからない理想化されたその人の姿を知るためのものではないからね」

「その通りです、残念ですが」

「ま、しかしそれだけ対策できたのであれば十分でしょ」

「しかしまだ問題が」

「なにが」

「自己紹介の下書きはできたのですが、今度はそれを英語に訳さなくてはならないのです」

「ああ、そういうこと。だから昨日の夜言ったじゃない、下書きの自己紹介文を完璧に暗記してペラペラ機械的に話すことより、少し間違えがあっても、自分の言葉で考えながら話すほうが評価してもらえるって」

「それはそうなんですが、しかしやはりある程度は話ができないとだめですよね。完ぺきとはいかなくてもある程度はできないと」

「確かにそれもそうかもね」   つづく

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