58話 昼食
第60章
「次の試験は英語ですね、ジャンヌ」
「そんなことより昼食」
藤枝達受験生に昼食が配られていった。料理が乗ったトレイが配られていった。
「このトレイの左上に海軍のロゴが描かれているでしょう」
「船が波をかき分けてこちらに向かって進んでくるデザインですね。そのかき分けられた波だけれど、向かって左側は青色、右側は赤色。そして真正面から見た船は白色、これらでフランス国旗の三色をイメージしているデザインですね」
「そう、このトレイだけど、ここにあるのはこのようにくぼみなどない水平ですっきりしたトレイだけど、昔はステンレス製であらかじめ料理が盛り付けられるようにくぼみがつけられていたようね」
「ああ、日本でも昔の学校給食などのトレイもそのようだったみたいです」
「トレイにあらかじめくぼみがつけられていると料理を盛り付けるとき便利かもね」
「その昔のフランス海軍のトレイというものどういうのだったのですか」
「全部で七つのくぼみがつけられていたみたい。全体の大きさは横は395ミリ、縦は297ミリ、厚さは20ミリの大きさでね。このミールトレイの全体的な構造は、三つの部分に分かれている。横10センチくらいの左手側の部分、横20センチくらいの真ん中の部分、横8センチくらいの右手側の部分というように」
「それらに料理が盛り付けられるのですね」
「そうね。左手側の部分だけれど、ここは向こう側から手前に向かって三つのくぼみがついている。一番奥に丸いくぼみがついている。ここにはコップを置くわけね。その下に横長長方形のくぼみ。その下に正方形のくぼみ」
「ではメインの真ん中は」
「そしてメインの真ん中の部分。上側と下側二つに分かれている。下側は横20センチ縦15センチくらいのくぼみ。ここに肉や魚を置くわけね。その上側には二つのくぼみがある。左側のくぼみは、横12センチ、縦15センチくらい。右側は横8センチくらい縦15センチくらい」
「では一番左側は」
「そしてこのトレイの一番右手側には、縦長の細長いくぼみが一つ。横8センチくらい縦30センチのね」
「よく詳しいですね」
「1970年ごろ実際にフランス海軍で使用されていたミールトレイがアマゾンで8ユーロで買えるみたいだから」 つづく
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