43話 操縦室の中でエールフランス機長
第45章
「はい、少しは」
「日本人で知っている人がいたとはね」
「機長はどうしてEOPAN・FRのシールをカバンに貼っているのですか」
「実は私は若いころここの生徒だったからだよ」
「では機長は若いころ空母のジェット戦闘機のパイロットをされていたのですか」
「いや、輸送機だったよ。輸送機のパイロットをやっていたよ。その後エールフランスに転職したんだ。(A la sortie de l’ecole,les EOPAN integrent le corps des officiers,comme pilote de chasse,d'avions multimoteurs ou d'helicopteres. Ils peuvent aussi se reconvertir dans l'aviation civile)」
「そうだったんですか」
「そう」
「このEOPAN・FRの試験ってどうでしたか、やはり難しかったですか」
「それはもちろん難しかったよ、特に航空知識試験など大変だったよ。時事的な問題が出るからね」
「時事的な問題ですか」
「そう、今現在の海軍の状況に関する問題などが出題されるから、だから常に新しい知識を覚えていかなくてはならなかったからね。しかもその新しい知識はどんどん増えていくから追いついていくのに大変だったよ」
「例えばどういう知識ですか」
「そうだな、もし私が現在EOPAN・FRの試験を受けるとしたらまず空母に注目するね、シャルルドゴール空母(CDG)だ。この空母の飛行甲板の大きさの問題など出るかもしれないからそれを覚えると思うね。261.5メートルとね」
「そのほかにはどうですか」
「そうだなあ、シャルルドゴール空母のドーファン(Dauphin)というヘリコプターの役割は何かという問題など。ペドロ(Pedro)というニックネームがついているヘリコプターだよ。私が受験したころは、アルエット(Aloette)というヘリコプターだった。(Dans l'aeronavale francaise,ce role est actuellement tenu par des AS-365F Dauphin qui ont remplace les SA-316B Alouette III) 役割は救助活動(securisation)だ。海に落ちた隊員を助けることだ。ヘリコプターからダイバーが海に飛び込み遭難者をウインチでヘリコプターまで引き上げて助けるという役目だよ。このウインチでの引き揚げ作業は3分以内でしなくてはいけない(le treuillage doit etre effectue en moins de trois minutes)という役目だよ」 つづく
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