40話 エールフランス航空の飛行機の掃除
第42章
藤枝有紀子が掃除をすることになった飛行機は、エールフランスの飛行機であった。彼女を連れて行った職員が言った。
「飛行機のそうじは二種類あります。飛行機の内部のそうじと外側のそうじです。これらは担当する係が違います。藤枝さんには、内部のそうじをしてもらいます」
「内部のそうじということは、つまり、乗客が乗る客室という大きな部屋ですか、座席がたくさんずらりと並んでいる」
「そうです。乗客が飛行機を降りた後の機内はゴミだらけだからです。国内線の場合も機内はゴミだらけになりますが、国際線の場合はもっとすごいですよ」
「飛行機に乗っている時間が長いからですね」
「そうです。国内線の場合は乗っている時間はせいぜい数時間程度です」
「しかし国際線となると、10時間以上にもなりますよね」
「そうです。それにごみの種類も違います」
「たしかにそうでしょうね」
「客室の次は、ギャレーというキャビンアテンダントの小さい部屋です。そこをそうじしてもらいます」
「ああ、機内食を準備する部屋ですね、よくテレビドラマなどで見ます。カーテンで仕切られた、台所のような部屋ですね」
「そうです。それから、コックピットの中のそうじです」
「パイロットの操縦室ですね」
「そうです。そこの床のごみをかたづけたり、機長席と副操縦席についている酸素マスクのアルコール消毒をしてもらいます」
「楽しそうなそうじですね」
「たしかに飛行機に興味のある人にはおもしろいかもしれませんね。飛行機の内部すべて見ることができるからです」
「もう一つの外部のそうじとはどういうものですか」
「モップで飛行機の機体をきれいにしていくのです」
「それで飛行機はいつもピカピカなのですね」
「そうです」
エールフランスの飛行機が近づいてきた。
「やはりそばで見ると大きいですね」
「そうですね。ですからそうじのやりがいがありますよ」
二人はTT車を降りた。そして飛行機の中に入っていった。 つづく
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