32話 試験場は仏海軍士官学校近く

第34章

 藤枝とジャンヌの二人は、先輩上級生に連れられて今までいた建物の外に出た。するとそこには、男子受験生たちもたくさん集まっていた。これら藤枝たち受験生が連れていかれたのは初期パイロット養成校(EIP)であった。

 海軍士官学校の西側に飛行場があった。滑走路が北東南西方向に走っている飛行場であった。そこに初期パイロット養成校があった。

 建物は白い色の二階建ての建物であった。横長の建物である。一階の部分と二階の部分に窓がすき間なく並んでいた。横長の直線のように並んでいる。建物の上側は向かって右側から左側にかけて下側に向かって傾斜した造りになっていた。建物の一番右側の上側につまり二階の窓の上にこの養成校を象徴する画が掲げられていた。縦長長方形の人間の大きさほどの画である。上側には錨が翼を広げたデザイン画である。その下側には帆船を正面から見た画が描かれていた。

 この建物の真ん中に玄関入口があった。その入り口の上に縦長の直方体を半分にした形の透明のガラスでできた突起物があった。つまり底が三角形の形をしてそれがそのまま上側に伸びたような形の突起物である。そしてその突起物が、入り口玄関の上にはみ出している構造をしているのだ。この突起物の左側にはまだ二階部分の窓が続いている。しかし、建物の上側が向かって左側に行くにしたがって下側に傾斜していく造りになっているため途中で窓はなくなる。そしてその傾斜はどんどん続いていき最後は一階になるというデザイン構造の建物であった。

 この建物の入り口玄関の正面、道一つ隔てたところに旗ざおが立っていた。そこにはフランス国旗がはためいていた。毎朝、EOPAN・FRの生徒たちが掲げるようである。そしてこの旗ざおのすぐそばには小さいプロペラ機が記念用として置かれていた。おそらく昔はこの小型プロペラ機で訓練していたに違いない。

 藤枝達受験生は、この入り口玄関から建物の中に入って行った。   つづく

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