31話 いよいよ今日から試験開始
第33章
「起きなさいよ!ユキコ!」
「えー……」
「きょうは試験だよ」
「あ、そうだった!」
藤枝有紀子は、ジャンヌから起こされベッドから飛び起きた。
「ついにこの日が来ましたね」
「もうこうなったら全力でやるしかないね」
「あ、知能テストのことだけど、なんとかなるかもしれません」
「どうして」
「夢の中で対策してきたからです」
「どんなふうに」
「知能テストの問題集を買ったり、知能テストの対策セミナーにも行ってきたから」
「そういい夢だったみたいね」
「それに今日一番最初に行わられる人格試験、これも一応対策したし、英語テストはずっと前から英会話教室にも入って対策してきたし、知能テストは今日の夢の中で対策したし……」
「だったらだいじょうぶかもしれないね」
「あ、そうだ!」
「なに」
「航空知識試験、これがまだ不十分だった」
「もうこれだけ対策したんだから、覚悟を決めないと」
「今さら騒いでも仕方ないですね」
「そういうこと」
そこへ先輩上級生が部屋の中に入ってきた。
「まもなく朝食です。食事が終わったら試験が始まります。その時はまた呼びに来ますので、食事がすんだらまたこの部屋で待機していてください。試験会場の教室に連れていきますので」
彼女たちは、食堂に行き朝食をすますと、またこの部屋に戻り待機していた。
「試験会場ってどこでやるんでしょうかね」
「なんでも初期パイロット養成校(Ecole d'intiation au Pitotage escadrille 50S)の教室みたいね」
「どこにあるのですか」
「海軍士官学校の西側みたい。士官学校の西側には飛行場があってそこにあるみたい」
「海軍士官学校っていえば、20歳にならないと受験できないんですってね」
「そうみたい、あたしたちじゃあ受験できないみたいね、17歳だから」
「海軍士官学校を受験するためには、高校を卒業してから高等専門大学準備学級に入らないといけないんでしょう」
「そう。そこに入るためには、高校の校長先生の推薦状が必要だって」
「高等専門大学ってグランゼコールなのですね」
「そう、入学するのがとても難しい学校」
「陸軍士官学校、空軍士官学校そして海軍士官学校ですね」
「そのほかには,コンセルバトワールで有名な国立高等音楽院、理工科学校、国立行政学院などがあるよ」
「確か国立行政学院って、今のフランスの大統領、マクロン大統領の出身校でしたね」
「そうみたいね」
その時二人がいた部屋のドアが開いた。
「これから試験会場に行きます。部屋の外に出てください」 つづく
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