24話 藤枝の高校での英語の授業
第26章
「有紀子!有紀子!」
「え……、お母さんか」
「早く起きなさい、学校遅刻だよ!」
「え!もうこんな時間、早くいかないと」
藤枝有紀子は飛び起きて高校に飛んで行った。彼女が教室に入ると英語の授業が始まっていた。
「藤枝遅いぞ」
「すいません、きのうの夜いろいろ試験対策していたもので……」
「英語の試験対策か?」
「そんなところです」
「それは結構なことだが、遅刻はしないでくれ」
「はい、すいません。それより100問中66問がすべてリスニング問題の英語で65パーセント以上の点数を取るにはどうすればいいのでしょうか」
「そういう試験は大変だな、普通は読解問題や文法問題のほうが多いからな。英検1級の合格者の中には小学生や中学生もいたりすることがあるようだが、大人が合格する場合と得点の比率が違うようだ」
「どう違うのですか」
「大人は読解問題や文法問題で得点を稼いでいるようだ。しかし小学生や中学生はリスニング問題で得点を稼いでいるそうだ。だから子供のころから英語に慣れ親しんできた受験生にとってはリスニング問題重視のほうがいいかもしれない。しかしそうでない場合はかなり大変だと思う」
「英会話教室に行ってますが」
「それはすごくいいことだ。しかしそれだけではなくやはり毎日自分でもやらなくてはいけないよ」
「やはり映画を見たりすることは役に立ちますか」
「もちろん役に立つよ。ただ見方が重要だ」
「どうすればいいのですか」
「何回も見ることだよ。あきてもあきてもだ」
「私にはあきない映画があります」
「それはよいことだ。それならその映画を毎日毎日見てセリフも全部覚えてしまうほど見ることだね」
「ではそうします。これで明日の英語試験対策ができました」
「明日?藤枝はどこの英語の試験を受けるのかわからないけれど、明日とはねえ」
「先生は、人格試験のこと知っていますか」
「その人がどういう人か知るための試験か」
「そのようですが」
「今は英語の時間だぞ」
「ではその人格試験のことを知るためにはどうすればいいでしょうか」
「そうだなあ、書店にでも行って人格試験に関する本買ってみたらどうだね」
「わかりました。ではそうします」
「それじゃあ、英語の授業を始めるぞ」 つづく
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