23話 二人は心理学者による面接試験対策

第25章

「この心理学者による面接ってどういうものなんですか」

「なんだか受験生に圧力をかけて、そのストレスにどのように反応するのかを知るための面接みたいね(son but sera de vous mettre la pression, de voir comment vous reagissez au stress)」

「ではすごいきびしいこと聞かれる面接なんでしょうかね」

「あたしもわからないけれど、覚悟していたほうがいいかもしれないね」

「だいじょうぶかな」

「でもこの面接試験にもアドバイスがあるよ。こわがらないでくださいって(ne vous faites pas intimider)」

「そうですか」

「そして、起こりうるあらゆる場面に用意しておいてくださいって(preparez-vous a toute eventualite)」

「起こりうるあらゆる場面って、当然最悪の場合も含まれるんでしょう」

「もちろんそうでしょうね」

「もうこうなったら覚悟するしかありませんね」

「そうだね。それよりもうそろそろ消灯時間だね」

「そうそう、もう早く寝ておかないと」

 二人はベッドの上に散らかった参考書や資料用紙のかたずけを始めだした。かたずけが終わると、藤枝有紀子はスーツケースの中からお菓子のマカロンを取り出した。

「それマカロンね」

「そうです、ジャンヌも食べますか」

「寝る前にいつも食べているのね」

「そうです。これを食べるとよく眠れるので」

「ではちょうだい」

ジャンヌはマカロンをもらうと食べだした。

「うん、おいしい、これ食べたら、明日の試験の心配なくなったね」

「そうですマカロンを食べると、心配事はすべてなくなります」

「これユキコが自分で作ったんでしょう」

「そうです、よくわかりましたね」

「あたしもよく自分で作るからね、食べてみれば大体わかる」

「マカロン食べたら急に明日の試験うまくいきそうな気がしました」

「そうだね、絶対うまくいくと思うよ」

 照明が突然消えた。部屋の中は真っ暗になった。   つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る