17話 基地に宿泊し明日から試験開始

第19章

 基地の正面入り口の前で藤枝達受験生は全員一人ずつ検問所で調べられることになった。

「君たちこれから海軍の基地の中に入ります。IDカードを準備してください。IDカードと交換に入場者バッジをもらいます。もらったバッジは必ず身に着けておいてください。それから基地内に入ったら指定された場所以外行かないでください」

藤枝達受験生を連れてきた先輩上級生がこう言うと、正面入り口にある検問所で一人ひとりIDが調べられていった。そして一人ひとり入場者バッジが渡されていった。

 藤枝達受験生が全員基地内に入った。

「これから君達受験生が試験期間中宿泊することになる部屋に案内します」

藤枝達受験生は先輩上級生に連れられて基地の奥深くに入って行った。宿泊することになる建物の中に連れていかれた。建物の中に入ると受験生たちはいくつかのグループに分けられてそれぞれ宿泊する部屋を指示されていった。

 女子受験生は藤枝と銀髪の白人女子の二人であった。二人だけ別室に案内されていった。二人が部屋の中に入ると、二人をこの部屋に案内した先輩上級生が言った。

「もうすぐ夕食です。それまでここにいてください。外を勝手に出歩いたりしないでください」

 部屋の中にはベッドが二つ置かれていた。二人はそれぞれベッドの上に座り荷物のかたずけを始めた。藤枝のベッドの隣のベッドに座っていた銀髪の白人女子が話しかけてきた。

「あなた、国はどこなの?」

「日本です。あなたはフランス人ですね」

「そう。それで何歳なの?」

「17歳です」

「あたしも17歳、ジャンヌ、よろしく」

「藤枝有紀子です、よろしく」

「ユキコの希望は何?飛行機?ヘリコプター?」

「飛行機です。ジャンヌの希望は?」

「同じく飛行機。それで戦闘機?警戒機?輸送機?どれ」

「戦闘機です。ジャンヌは?」

「同じ、戦闘機。話が合いそうね」

「男子はみんな戦闘機が希望だと思っていたけれど、そうでない人もいるのですね」

「いろいろみんな希望が違うからね」

「女子が戦闘機希望というと、珍しいという人が多いですね」

「将来はどうなるのやら。昔は女子が軍人になることすらあり得ないことだったけれど、しかし今は当たり前になったでしょう」

 二人の部屋の中に先輩上級生が入ってきた。

「食事です。二人とも外に出てください」   つづく



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