16話 試験会場のランべオック海軍基地へ

第18章

 藤枝有紀子とアランドロン、その他受験生たち350人がブレスト駅の駅舎のホールの中や駅舎建物の近くでぶらぶらしていると、海軍の軍服を着た若者が何人かやってきた。

「EOPAN・FRの受験生はこちらに集合してください」

試験会場のランべオック海軍航空隊基地から迎えが来たようだった。迎えに来たのは、藤枝受験生たちのこれから先輩上級生になるであろうEOPAN・FRの将校生徒たちであった(les eleves EOPAN sont charges de les recupere a la gare)

 ブレスト駅から45分後(un bon 3/4 d'heure de route)、試験会場の基地に到着した。自動車が双方向1台走れるくらいの道を行くとその先にあった。その自動車道路がそのまままっすぐに基地内に伸びていた。正門ゲートに向かって伸びていた。正門ゲートの向こう側。基地内は平野が広がっていた。正門ゲートの手前向かって左側に基地のロゴが描かれている正方形の石碑のようなものが立っていた。そこには、昔の帆船を正面から見た絵が描かれていた。そしてそこには次のように書かれていた。

ECOLE NAVALE-GROUPE-ECOLES BASE AERONAUTIQUE NAVALE LANVEOC POULMIC

 ここの基地は1920年に水上飛行機(hydravion)の基地として造られたようである。翼が2枚上下に重なった作りの飛行機である。これらの飛行機が尾翼を海岸線に向けて10機ほど並べられている当時の写真がある。1937年4月に公式に海軍航空隊基地になったようである。当時のこの基地のロゴマークは次のようであった。全体的に縦長の長方形である。一番上にB.A.N(base d'aeronautique navale)と書かれている。その下にはLANVEOC POULMICと書かれている。真ん中には錨と翼を広げたデザイン画が描かれていて、その下には、紅白のそれぞれ正方形模様が全体的に下に向かって逆三角形に描かれている。

 この基地は37の航空施設の一つ(un des 37 centres d'aviation)であったようである。第二次世界大戦のときはここは18回の爆撃を受けたようである。   つづく

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