5話 英会話教室と水泳教室に入学
第7章
「有紀子、起きなさい、いつまで寝てるの」
「あ、お母さん」
「この頃よく寝るようになったね」
「うーん,今日は日曜でしょ」
「今日から英会話教室や水泳教室に行くんでしょ」
「そうだった。午前中は英会話教室。午後は水泳教室」
彼女は飛び起きた。
「絶対、TOEICで700点以上取らないと、それから水泳ができるようにならないと」
彼女は家を飛び出した。英会話教室につくと最初の授業が始まった。
「藤枝有紀子さんですね。これからがんばりましょう」
「先生はアメリカ人ですか」
「私はカナダ人です」
「カナダ、アメリカの北にある国ですね」
「そうです。私はカナダのケベック州の人間です」
「ケベック州?そういう州があるのですか」
「はい。この州はほかの州と違って特徴があります」
「どういうことですか」
「フランス語が公用語だからです」
「どうしてですか」
「昔、この州を創ったのがフランス人だからです」
「では先生はフランス語も話せるのですか」
「はい。フランス語も私の母国語です。では有紀子、英語で自己紹介してください」
「アイアム……」
彼女は午前中の英会話の授業が終わると、水泳教室に行った。プールというところは遊び目的ならば楽しいところである。しかし水泳の練習目的となると泳げないものにとってきびしいところでもある。しかしそうはいってはいられなくなった。
「私があなたの指導をさせてもらいます。よろしくお願いします」
「先生、絶対泳げるようにさせてください」
「もちろんです。私が指導すればあなたは必ず泳げるようになります」
「よろしくお願いします」
「藤枝さんは今、高校生だそうですが学校の体育のプールの授業ではどうしていますか」
「見学のことが多いです」
「女子学生に多いパターンですね。しかしここで水泳の練習をすればもう見学しなくても大丈夫になります」
「そうなりたいのです。完全に泳げるようになりたいのです」
「わかりました。ではさっそく練習をはじめましょう。まずは準備体操からです」
こうして彼女の水泳の練習が始まった。彼女は午後の水泳の練習が終わると家に帰った。家に着くと母親が出迎えた。
「どうだったの、英会話と水泳?」
「何とか無事乗り切った。それよりマカロン、マカロン」
彼女は台所に行きさっそくいつものようにマカロンを作り始めた。マカロンが出来上がるとそれを持って自分の部屋に入った。そしてできたばかりのマカロンを食べながら『トップガン』を見始めた。そしてまたいつのまにか寝てしまった。 つづく
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