第17話 末路



 ポツンと置いてあった掃除道具入れ。

 扉をあけると、そこには。


「「順子!」」


 血まみれになった順子の姿があった。


 彼女の体からこぼれた血が、足元までひろがってくる。


 順子の指先は痛々しい傷でいっぱいだった。


 あの廊下の傷は、順子がつけたものだったのだ。


 おそらく、何者かに連れ去られようとしていたのだろう。


 それで、必死に抵抗していたのだ。


 その痕跡が床に残ったのだ。


「うそ、こんなの。どうして。もういや」


 私は頭をかかえてうずくまった。


 順子みたいになってしまったかのようだ。


 このままここにいたら、自分達もきっとそうなってしまうに違いない。


 頭の中が、嫌な考えでいっぱいになった。


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