第13話 体育館へ



 今の順子を無理につれていって、大声を出されたら私達も困ってしまう。

 置いていった方がいいのかな。


「ここにいたら、また人体模型みたいな奴に襲われるかもしれないけどいいの?」

「そうだ。一人でいる方が怖いと思う」


 私達はそうやって順子に声をかけるけど、彼女は嫌々をするように頭をふるばかりだった。


 梃子でも動かないといった様子だ。


 しかたがないから、近くの教室の中に隠れるように言ってから、その場を離れる。


「一周してきたら、またここに戻ってくるからな」


 最後に西野がそういって、教室の扉をしめた。


 これでよかったのだろうか。


 分からない。


 こんな状況はじめてだから。


 私、酷い事やってないよね。


 こんな状況で、人を恨んで行動したくはないよ。


「西野、次はどこにいく?」

「まだ見てないところって言ったら、体育館とかか?」

「じゃあ、そっちに行ってみよう」


 体育館は連絡通路を通っていくことができる。


 順子の事で後ろ髪をひかれつつも、私達はそちらの方へ歩いていった。


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