第12話 これから
落ち着いたころを見計らって、これからどうしようかと考える。
学校の外に出る事ができない現状、連絡もとれない状況。
私達に何かできる事はあるのだろうか。
私は、順子と出会った時のことを思い浮かべながら、「先生や他の生徒達がいないか見て回ってみるのはどう?」と言った。
西野は「そうだな」と頷く。
「まだ全部みてまわったわけじゃないし、俺達みたいに閉じ込められている人達がいるかもしれない。
あちこち探索してみよう。
けれど。
それに意を唱えるのは順子だ。
「もうやだ!」
と頭をかきむしってしゃがみこむ。
彼女はヒステリックに大声を上げ続けた。
そんな事をしたら、さっきの人体模型に見つかってしまう。
「順子、静かにしなくちゃ。さっきのに、見つかっちゃうかもしれないよ」
「こんなとこ出たい! いやっ!」
けれど、順子には聞こえていないようだった。
「ここから動かない。怖い目にあいたくない。朝になるのここで待ってる」
そして、子供みたいな様子でだだをこね始めた。
彼女は甲高い声で「どうしてもいきたかったら二人でいってきなよ」と言った。
西野と顔を見合わせる。
どうしよう。
ここに彼女を残していくのは、少し気が引けてしまうけど、この様子じゃ動けそうにないし。
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