曹操を青州に送って現地情報を確認するべきか
さて、冀州においては曹操の役目はだいたい終わった。
降伏した人間の扱いについては俺はもう引退したことだし、直接は関与しないしな。
無論、降伏したものに対しての処遇の相談が誰かからあればそれに答えることはするんだが、結局は使えそうなら使うが行動に対しての監視はつけておくべきということになるのがほとんどだ。
袁紹に殺された劉協や王允、蓋勳を手厚く葬り、市民への粥や羊羹などの炊き出しを行い、糞便にまみれた街路などを清潔にして、今年の租賦はとらないという政策を行い 庶民に重税を課して贅沢させてくれないという理由で董卓の下を出奔した廃帝が、その少し前に袁紹からそそのかされて董卓の暗殺を試みたという事実も冀州に流布しているから、冀州の統治はそんなに難しくはない状態だ。
「史実では曹操は冀州などの統治に苦労したらしいんだけどな……」
でまあ、現状では袁家の兄弟たちに残された基盤は青州の西部だけ。
最も東部の臧覇や孫堅なども統治をちゃんと行えてる状態ではないようだが。
「青州はかなり荒れ果ててるはずなんだよな」
青州は
青州は黄巾賊残党の影響が強いだけではなく、公孫瓚(田楷)、袁紹(臧洪や袁譚)、孔融などの間でも争いになっていて、まずは公孫瓚が青州刺史として田楷を派遣して斉の地を占拠させたので、袁紹は臧洪を派遣して田楷と戦わせること二年、両軍ともに食糧が底を突き、士卒は疲労困憊した、百姓たちを奪い合い、野原には青草がなくなる有様であったとされる。
後に張超は一族と共に雍丘において曹操軍に包囲され、臧洪が袁紹から恩義を受けているということと、袁紹と曹操の両者が友好関係にあることなどから、臧洪が救援に赴かないだろうと思ったのだが、張超だけは臧洪自身に救援の意思があると信じ、時間の制約があって間に合わないことのみを心配していた。
そして臧洪は、裸足で走り出て配下の兵士を揃えると共に、兵馬を借りて救援に赴きたいと袁紹に願い出たが許されなかったため、雍丘は陥落し張超は自害、一族も全滅した。
これを恨んだ臧洪は袁紹との絶交を宣言し、臧洪は城内が飢餓状態におちいったときには自らの愛妾を殺害し、その肉を兵士に振舞って抵抗を続けたが、最後には城が陥落し、男女7~8000人が揃って討死となったが、臧洪は殺害された。
そして臧洪が殺されたあとに、袁紹は改めて長男の袁譚を青州刺史に任命し、青州に派遣。
袁譚は平原をまず抑えて、軍勢をまとめると、斉国に攻め込んでまず田楷を撃破、そして更に東へ進んで北海国へ侵攻し、孔融も撃破。
東莱郡では黄巾賊の残党が勢力を張っていたが、袁譚は彼らに官位を与えて、手懐けていた。
其所に行き着く前に青州の人材や民などはかなり逃げ出したりもしているのだが。
「とりあえず現状の青州の状況を曹操に見させたほうが良いか」
あんまり歴史的には目立たないのだが、青州という土地も実はかなりの戦乱があって、疲弊していたりするのだな。
俺は曹操を呼び出して話をした。
「済まないが青州の実状を見てきて報告してほしい」
曹操はうなずく。
「かしこまりました。
もし状況によっては彼らに降伏勧告を行い投降させたり、青州から海を渡って逃げ出そうとするならそれを見逃しても良いでしょうか」
「うむ、無駄に兵を動かすよりはその方がいいだろう。
「ありがとうございます」
というわけで曹操が青州に向かうことになったわけだがさてどうなるかな?
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