曹操が曹洪などの有能な従兄弟を連れて戻ってきたか
さて、俺は袁紹にも袁術にも与しないと宣言し、袁術に対しては絶縁状ともいえる、兵や食料を送らないと言う書状を送りつけつつ、都市間をつなぐ街道や橋などの整備と品質の良い銅で規格を満たした銭を作ることで交州や荊州南部の南方の香辛料やフルーツや北方の馬などのやり取りがスムーズに行くように取り計らい南陽での商業の発展を進めつつ、土地の開墾や農法の改良、農具の貸与などの農業の奨励も同時に進めていた。
そして、兵糧を確保することが難しくなった袁術は自ら洛陽を出発し、劉岱が死んだことで空白となった兗州陳留郡・豫州潁川郡の諸県を攻略し、そこで掠奪を行い食料を補充すると冀州の袁紹と決戦を行おうとした。
しかし、袁紹は青州黄巾賊と手を結び、袁術は袁紹と黄巾賊の連合軍に大敗して、洛陽へと逃走した。
「ふむ、兗州を手に入れられなかった時点で袁術は終わりだな」
袁術は内政の能力が殆ど無い。
史実では孫堅や孫策を使って直接敵を打ち破ったり、公孫瓚や劉焉、呂布などを使って争わせることで、太守が死んだ豊かな場所を乗っ取ったりすることで、ある程度兵を維持できていた。
袁術と李傕は同盟を結び、袁術は左将軍に任じられた。
李傕は袁術を使って劉虞を擁立しようとする袁紹を倒そうとしていた。
袁術は献帝の命であるという大義を得て、并州の張燕を使って袁紹を足止めして、兗州に攻め入ったが、曹操に惨敗し、南陽郡を劉表に奪われて、揚州の寿春に落ち延びることになるがそこから袁術は凋落する。
一方の袁紹は張燕に客将として呂布をぶつけ楽勝で勝ち、袁紹は并州と青州を得て勢力を拡大した。
それはともかく税が収められなくなった洛陽に閉じこもっていても金も米も入ってこない。
持ち込んだ商品を安く買い叩かれたことで商人も洛陽へ物を売りに行かなくなっているからな。
そんなところへまずは徐庶が母親を引き連れて戻ってきた。
「うむ、無事帰ってきてくれて嬉しいよ」
「はい、今後共わが母とともに過ごせることを嬉しく思うと共に、董将軍へも続けて仕えることができます」
次に曹操が曹仁・曹洪・夏侯惇・夏侯淵ら従兄弟の同族の武将や父親を引き連れて帰ってきた。
彼の身内はかなり皆優秀なのでこれは嬉しい。
「うむ、どうやら一族を連れてくることに成功したようだな」
「はい、これで憂いもなくなるというものです」
史実では初平四年(193年)に曹操は、父の曹嵩が徐州牧の陶謙の部下に殺されたことをきっかけに、徐州を攻め、悪名高い徐州虐殺を行っている。
これにより魯粛や諸葛一族などが徐州から逃げ出し、曹操が抑えた後も徐州の民は曹操に非協力だったりしてこの後遺症に曹操は長らく苦しむことになるのだがなぜこんなことをしたのか?
一般的には父曹嵩や弟の曹徳など一族を殺されたことへの恨みとされるが、陶謙の配下の兵士などはともかく、一般民衆まで大量に殺す必要性はなく、そのくせ陶謙の墓をあばいてその遺骸を晒したりもしていない。
そもそも曹嵩は財貨を運ぶ車は百余台あったとされ、陶謙の部下の
黄巾残党が跋扈してる時期なのにもかかわらず徐州から兗州へ移動する際に財貨を見せびらかすように移動した曹嵩も馬鹿だと思うがな。
実際はこの時に曹操は泰山太守である応劭に家族の護衛を命じていたが、陶謙はそれより先に回りして曹嵩らを殺しているのでもともと、陶謙には善意で曹嵩を護衛する意思などなかっただろう。
本来は曹嵩ら一族を拉致し財貨も奪って、対曹操と戦うために有利になるように人質にしようとしたのではないかと思う。
まあ指示を出された張闓が曹嵩が持っていた財貨を目の前にして欲にかられて、本来の命令を無視してに逆らって曹嵩を殺し、財物を奪って逃走したのは陶謙にとっても予定外だっただろう。
演義だと劉備に関わるので好人物にされているがいろいろ胡散臭いところのある人物だし、そうでなければ生き残れない時代でもあったしな。
もちろん、父親などが殺されたことでそれを理由に徐州に攻め込んだのは事実であろうが、実際曹操の下の青州兵と言うのは部下というより協力者であって曹操に忠実に従って戦ったわけではなくむしろ各地で掠奪や虐殺を行っていたようで、その後、陳宮や張邈らが呂布と共に反乱を起こしたのもそういったことが理由だったらしい。
とりあえず今はまだ徐州がそこまで荒れていなく、目立った財貨をたくさん車に乗せて移動するなどというアホなこともしなかったようなので曹操の一族や両親などが無事に戻れてよかったよ。
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