引きこもり(エッセイ)

 俺は一時的な引きこもりが悪いことだとは思わない。同居している家族は大変だが・・・。俺も半年くらい引きこもりだった時期がある。何もせず、ひたすら寝ていた気がする。引きこもりにならない人は、それまであまり無理せず生きて来た人なのかもしれない。または、現実と折り合いをつけられている人かだ。有名大学に進学しても、バイトにはまり8年生までいたり、中退したりする人がいる。脇道に逸れずにいる人が普通なのだろうけど、人生休む時間も必要だともう。


 引きこもりになるのは、それが許される環境と条件が揃っているということにである。アメリカなんかだと、日本みたいな家族社会ではないから、子どもは成人したら家を出るものだ。引きこもりだからといって、親が家に置いておかないらしく、若年層でもホームレスになっている。


 日本では最近、8050問題が取り上げられているが、年金暮らしの親のすねをかじって、子どもが引きこもっていたりする。先日はYouTubeで90くらいのおじいさんが、引きこもりの子ども2人を養っているという動画を見た。兄と妹で、兄の方は父親の年金のうち数万円をパチンコに使ってしまうそうだ。妹は見るからに精神疾患がありそうだった。うろ覚えなのだが、おじいさんは働けるだけ働いて、子どもたちを養っていたが、動画の最後の方で亡くなっていた。その人の人生を考えると、気の毒で仕方がなかった。生活をしていて、何か楽しいことはあっただろうか。ああいうのを見ると、人の人生の禍福は平等ではないと思った。


 以前住んでいたアパートの近所に、引きこもりの人が住んでいたことがあった。高齢のお母さんと40代くらいの息子で住んでいて、息子がお母さんに暴力を振るっていたようだ。何度か警察が来たこともあった。最終的にお母さんが逃げてしまって、息子が取り残されたが、その後どうなったかわからない。お母さんにはそのまま逃げ切ってほしいと思う。

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