不適切な関係
この間、民法が改正されて、女性の結婚年齢可能が18歳に引き上げられてしまった。今、彼女は13歳だから、あと3年たったら結婚しようと思っていたのが、5年後に延期になってしまったことになる。俺と彼女のリアナが最初に出会ったのは、近所の児童公園だった。
俺は子どもが好きだから児童公園によく見に行っていた。結婚して女の子がいたけど、離婚してから離れ離れになってしまった。それで、子どもに会えない寂しさを紛らわすために、公園のベンチに座って日がな過ごしていた。
その中に、いつも一人で来ている女の子がいた。最近、そういう子は珍しい。大体は親が連れて来るもんだけど、その子は友達も兄弟もいなかったようだ。ちょっと目を惹く美少女で、すぐに他の男に取られてしまいそうだった。俺は焦って話しかけてみた。すると、かまってもらえるのがうれしいみたいで、すぐに俺になついた。俺は一緒に砂場で遊んだり、鬼ごっこしたりして、日が暮れるまで遊んだ。それからは、毎日、公園で待ち合わせて遊ぶようになった。
その子はシングルマザーの家庭の子で、学校が終わると、併設の学童に行っていたが、お金がかかるからやめさせられてしまった。そして、一人で公園に行くようになったそうだ。公立の学童なんてただみたいなものだと思うが、安定した収入がない場合はそれでも負担になってしまうようだ。俺が払ってあげてもいいが、そしたら彼女と遊べなくなってしまうから黙っていた。
俺は帰りの時間になると、彼女の家まで送って行った。俺はフリーランスで仕事をしているから、平日も自由がきく。実家が地主だから、働かなくても遊んで暮らせるのだが、世間体のために一応、翻訳者という肩書を持っている。実際は仕事はほとんどない。実力がなく営業もしていないからだ。
彼女はボロボロのアパートの2階に住んでいた。洗濯機はベランダにある、単身者向けの狭い間取りだった。とりあえず風呂はあった。彼女の母親はうつ病で働けないから、一日中家にいる。それで子どもの世話もできない。家に帰っても食事がない。俺は毎日彼女とお母さんのために弁当を買ってやった。
俺は彼女の母親に会って、買い物や掃除などの家事を引き受けることにした。洗濯までしてやった。出会って間もなく、俺は彼女をうちで預かることを申し出た。母親は喜んでいた。
「私は世話ができないから、よろしくお願いします」彼女は子どもの世話をしなくて済むし、厄介ごとが一つ減る。
女の子はうちから学校に通うになった。女の子の世話は楽しかった。明るくて、笑顔が絶えない子だった。
俺は彼女は自分の娘のように厳しくしつけた。食事の時はテレビはダメ、スマホは買い与えない、夜寝るのは9時。ピアノや英語も習わせた。そして、16になったから俺と結婚するんだと教え込んだ。彼女も「はい」と承諾していた。だから、結婚したら家事をきちんとできるように教え込んだ。11歳で生理になった。もう、子どもが作れる年になったから、きちんと性教育も施した。俺はあと何年で入籍できるかと楽しみにしていて、結婚式はハワイでやろうね、と話していた。
でも、リアナが中学になった頃、彼氏ができて家出してしまった。今は渋谷か歌舞伎町あたりにでもいるんだろうか。パパ活でもして暮らしていそうだ。親族じゃないから、捜索願は出せない。母親もずっと臥せっていて、そのままになっている。
俺は今、公園いる。次の花嫁候補を探すためだ。
一人でいる子がいるから、ずっと目で追っている。顔はかわいくないが、若いからよしとしよう。俺は立ち上がった。
***
先日、リアナが戻ってきた。付き合った男が暴力を振るうから、逃げてきたそうだ。無気力になり、何もできないようになってしまった。明らかに精神を病んでしまったんだ。他に行く場所がないから、仕方なく戻ってきたそうだ。俺の家は快適だし、食うには困らないはずだから、何の不満があるのかわからない。
彼女は大人しく俺に従うようになった。外の世界より、居心地がいいと悟ったようだ。結婚可能年齢は18歳だけど、彼女はそれまで出ていかないとわかっている。彼女は、今は引きこもりだ。もう、彼女と結婚なんかしない。
俺は毎日公園に新しい子を見に行く。いい子が見つかったら、リアナは家に帰すつもりだ。
*本作はフィクションです。未成年との交際を助長しているわけではありません。
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