タクシー(エッセイ)
昨日、タクシードライバーの話を書いたけど、高齢ドライバーの人のタクシーに乗っていて、ちょっと怖かったことがある。
その人は75歳くらいの品のいいおじいちゃんで、俺は何とも思っていなかった。そしたら、いきなりコロナの話をし始めた。米軍が空から菌を撒いていると言っていたと思う。モゴモゴ話していたからちょっと聞き取れなかったけど。そしたら、暑くなったらコロナの菌が死んで、自然に収まると言い始めた。
俺は取り合えず「あ、そうですか。そうなったらいいですね」と言っておいた。お年寄りなので、ちょっと切なくなってしてしまった。どうやらボケているみたいで、運転は大丈夫かなと不安になった。とりあえず迷うことなく目的地に着いたから、ほっとした。
1月後くらいに、また、同じエリアでタクシーに乗る機会があったんだけど、そしたらまた同じドライバーの人の車に乗ってしまった。すると、「あんまり道わからないんですよ」と言われた。先日と同じルートだったのに、忘れてしまったらしい。カーナビが使えなさそうだったから、俺は道を案内して、何とか目的地にたどり着いたけど、また米軍がコロナ菌を空から撒いている話をしていた。
俺が「そこで止まってください」と言っても、先まで行ってしまうし、やっぱり痴呆症なんだろうなと思った。ちょっと話しているだけなら多分気が付かないし、お客さんも気の毒だからとタクシー会社にクレームを入れたりしないんだろう。
事故なんか起こさないといいんだけど・・・。
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