フェロモン(エッセイ)
人間にとっての物質フェロモンというのはまだ見つかっていないらしい。巷でフェロモン香水などが売っているが、科学的な根拠はない。夢を買うつもりで金を払うならいいと思う。
フェロモンは匂いとは違うが、人間だと脇の下から出ている何らかの物質が異性を引き付けている可能性があるようだ。男女とも異性の汗や体臭を嗅ぐのが好きだという人は珍しくない。
漫画ではフェロモンを手に入れて、美女にモテまくる(または地味な子がイケメンにもてる)というのがお約束らしい。
でも、幸か不幸か、人間のフェロモンはまだ特定できていない。もし、モテ・フェロモンがあったとしても、相手を選べないみたいだから、イケメンや美女だけにピンポイントにもてるというのは無理だ。
上記のように、人フェロモンはまだ未発見だが、豚のフェロモンは畜産業で実用化されている。発情期の雌豚は、雄豚の唾液中に含まれるフェロモンに反応して、不動反応と呼ばれる姿勢を取るようになる。このフェロモン(アンドロステノン)は人工授精に活用されている。ちなみに、豚を使って土の中のトリフを探すのは、トリフの匂いが雄豚のフェロモンに似ているため、雌豚が本能的に掘り出してしまう性質を利用している。もともと備わった本能なので、訓練はいらないらしい。
他には猫にも、専用フェロモンがあって、世界中で販売されているそうだ。スプレーまたは、コンセント芳香剤のように、コンセントにさして使うらしい。成分は猫の頬から分泌されるフェイシャルフェロモンF3類縁化合物だそうで、猫がリラックスする効果があるそうだ。
鳴き声、爪とぎ、尿スプレー行動、粗相、猫同士の喧嘩やマーキングの防止に効果があるとか。その猫の性質によって効果のある場合とない場合があるらしいのだが・・・ネットで読んだ記事によると、すっかり大人しくなって、朝鳴いて飼い主を起こしたり、跳ねまわったりすることがなくなったらしい。
フェロモンでここまで性格が変わると、ちょっと怖い気もする。
元々の性格が失われてしまっている。
フェロモンというのは、本能行動で与えられた刺激に対して、自然に取ってしまう行動である。人間でいうと、催眠や薬物に近い作用と言っていいかもしれない。もし、人フェロモンがあったとして、使用することによって無法地帯になるなら、多分法的に規制されるんじゃないだろうか。
フェロモンを纏った変な人に、勝手に吸い寄せられてしまうのは困る・・・。
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