豚の一生(エッセイ)

 *食肉をテーマにしています。不快な内容となっていますのでご注意ください。


 まず、雄豚。

 生後1週間で、農家の人が睾丸を剃刀で切開して去勢する。ほぼ麻酔なし。

 それから、歯の切断と尾の切断も行われる。こちらもほぼ麻酔なし。


 去勢しないと雄豚は臭くなると言われている。異論があるので実際の所はわからない。メリットは、去勢すると雌豚と混ぜて飼育できる。体が中性化すると、体が小さくなるので精肉した時、一頭から取れる肉の割合が増えるそうだ。


 ほとんどの雄は去勢される。自然繁殖するためには雄豚が必要だが、メス豚の1/10いればいいからだ。種豚になるのが一番ましかもしれないけど、今は人工授精が増えているから、精子を採取されることもあるんじゃないだろうか・・・。


 子豚たちは3週令になると、母豚の母乳を飲めなくなる。そして、飼料を与えられる。その方が早く大きくなるからだそうだ。


 食肉用は6か月で出荷。


 雌豚。


 食肉用は6か月で出荷できるようになり、繁殖用は3-5年生かされる。


 繁殖用豚の一生はかなり過酷だ。生後8か月で交配されるようになる。

 妊娠期間は114日間。妊娠中はストールという狭い檻に1頭づつ入れられる。

 狭すぎて方向転換もできない。ストールに入ったまま授乳。授乳期間は21日間。


 その後は、他の母豚と群飼いの檻に移される。発情したら交配。妊娠したら再び狭いストールに移される。こんな風に1年に2.2回出産する。1回の出産で10頭産む。計算すると、年間20頭以上。これを延々と繰り返す。


 母豚は食肉用としては等級外で、加工用や味付け肉として市場に出荷されるそうだ。


 肉を食べなければいいという人もいるけど、俺は肉が好きだからたぶんやめられない。豚のために俺にできることはないけど、普段の食生活が尊い犠牲の上に成り立っていることだけは、肝に銘じたいと思う。

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