逆ナン(エロ)(おススメ度★)


*性的な表現があります。一部の方にとって不快に感じられる可能性があります。

 

 これは知り合いから聞いた話だ。


 その人が勤めてた外資系コンサルタント会社に、30代で年収3000万の超イケメンがいた。

 背が高くて服のセンスがよく、持ち物はみんなブランド品。

 車は外車。

 とにかく、女にもてる人だった。


 既婚者で港区のマンションに住んでいた。

 その人はとにかく女好きだった。


 その人をAさんとする。


 外資系コンサルは金があるから、社員が残業した時のために、高級ホテルを契約していた。

 Aさんは残業した時は、そこに女を呼んで泊り、家には帰らなかった。

 相手の女たちは、Aさんは既婚者だと知ってるけど、それでもいいと言うくらい魅力のある人だったらしい。


 その人はバーに行くのも好きだった。

 目的は当然ナンパだ。

 一夜限りの関係を求めて女をひっかけに行っていた。

 その日も、1人でふらっと行って飲んでいると、隣に女が座って来た。


 逆ナンだと思って「待ち合わせしてる」と嘘を言おうとしたら、思いがけず、ものすごい美人だったそうだ。

 スタイルが良くて、ハーフのモデルのような人だったらしい。

 話すと愛想がよくて、すぐにでもホテルについて来そうだった。


 案の定、女はすぐにOKして、2人はホテルに行った。

 Aさんは、女が刺激を求めていたんだろうと思ったそうだ。


 Aさんと女は部屋に入ってすぐに、夢中になってキスをし始めた。

 とにかく女の方が積極的で、Aさんはちょっと引いてしまうくらいだった。


 そうしているうちに、Aさんが女の頭に手をやると、ずるっと頭髪がずれて床に落ちた。

 Aさんの手が止まった。

 頭には髪の毛がなく、

 桃みたいに産毛だけだった。


「ごめん。びっくりした?」

 女は笑った。


「ウィックだったんだ」

「うん。髪が抜ける病気で・・・」

 女は「アハハ」と笑いながら言った。

 薬でもやっているような変なテンションだった。

 

 Aさんは何の病気だろうと思って、うつらないといいな、と不安になったそうだ。


 それでもそのままキスをしていると、次に上顎の中がプラスチックのような人工物なのに気が付いた。

 まるでお年寄りの総入れ歯のようだった。


 女は邪魔になったのか、上下の歯を外してベッドサイドのテーブルに置いた。

 それでも、Aさんは女が目的のために歯を全部抜いたのだろうと思って、そのままキスを続けた。


 そして、しばらくキスをしていると、なんとなく女の顎がずれて来た。


 Aさんは驚いて顔を離した。


 よく見ると、女の顎から下がない。

 事故などで顔を損傷してしまった人のように、顎から下が人工物だった。


 女は顎も外して、ベッドサイドのテーブルにことりと置いた。


 目の前にはスキンヘッドで、顎のない女が座っていた。

 目だけは、バーにいた時と同じで美しかったそうだ。

 女はAさんを見て、じゅるじゅると音をさせながら、ゆっくり舌なめずりをして迫って来た。


 Aさんは恐ろしくなって「ギャー!やめてくれ!」と悲鳴を上げた。

 そして、パンツだけの姿でその場から逃げようとした。

 しかし、女はものすごい力でAさんを引きずると、腹を何度も殴って、逃げたら殺すぞと脅した。


 その声はさっきのような、若い女のキャッキャという声ではなく、気の狂った人のようだったそうだ。


 Aさんは絶叫したが、誰も助けに来なかった。


 その夜からAさんは精神的におかしくなってしまったそうだ。

 事情が事情なので、警察に被害届は出さなかった。


 俺の想像だが女は薬物を使ったんだと思う。

 それでAさんは幻覚を見たんじゃないだろうか。


 しかし、ダメージは大きかったらしく、Aさんは翌日からは仕事に行けなくなって、自主退職。無職になったので、マンションを手放さなくてはならなくなった。

 そして、奥さんと離婚。

 子供は奥さんが引き取り、Aさんは1人になってしまった。


 Aさんは、今は給料が安くてもっと楽な仕事をしているそうだ。 

 もちろん、俺ではない。

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