失恋(おススメ度★)
俺は最近、彼女と別れた。
いいなぁ・・・。この響き。
ずっと憧れていた。
一時でも彼女がいて、別れた、と人に言えるから、それだけは満足している。
彼女は超お嬢様で弁護士だった。
しかも、美人。
失恋の痛手を引きずる人も多いかも知れない。
特に男。
女は別れたらすぐ次に行く。前の男のことなんて思い出しもしない、という人が多い気がする。
男は前の彼女が、今も俺を好きでいるに違いない、と思う人が多い。
俺も元カノが今も俺のことが忘れられなくて、そのうち連絡をしてくる気がしてしまう。
連絡して来ないのは、彼女のプライドが許さないからだ。
しかし、俺は彼女の連絡先をすべて消した。
そしたら、もう俺からは連絡できないからだ。
俺から連絡しても、きっと拒絶されるだけだ。
彼女は絶対連絡してこない。
理性ではわかっている。
早く忘れないといけない。
しかし、夜になると彼女が俺の隣に寝に来る。
俺が布団に入ると、そっと掛布団を上げて入ってくる。
暗がりでも人の形があるのがわかる。
使っていたシャンプーの匂いがする。
何だか暖かい空気がじんわりと伝わる。
彼女の目線を感じる。
俺の方を暖かい目で見ている。
触れないとわかっているので、もう触るのはやめた。
きっと彼女は俺のことが忘れられなくて、毎晩そうしてやって来るのだろう。
俺はそこにいる元カノを感じながら毎晩寝ている。
だから、彼女のためにいつも右側は開けている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます