怖いおばさん(エロ)(おススメ度★)

 *性的な表現があります。一部の方にとっては不快だと思います。


「おばさん」と聞くと、俺には気さくで優しい中年女性のイメージがある。

 昔のおばさんはいつもエプロンをしてた気がする。

 サザエさんみたいに。


 でも、昔、おれんちの近所に住んでたおばさんは怖かった。


 そのおばさんは三十代熟女(子供の頃だからおばさんに見えた)。

 けっこう美人。

 というか、家にいるのに厚化粧をしてた。

 いつもワンピース姿のイメージ。

 離婚して一人暮らし。と、なぜかみんな知っている。

 働いてるか不明。

 木造アパートの和室に暮らす。


 その人はなぜかエロ本をいっぱい持っていて、近所の小学生たちが読みに行っていた。

 写真もあったけど大体がエロ漫画だ。

 痴漢とかそういうまずいやつだったのを覚えてる。

 昔の漫画のヒロインは今みたいにかわいい系じゃなくて、もっとアダルトな大人の女で生々しかった。

 

 そこにいるのはなぜか小学生だけだった。

 男子ばかり。


 俺たちが行くと、おばさんはお菓子とかジュースも出してくれる。

 子供の頃は飴玉一個でもうれしいものなのに、そのおばさんはずいぶん気前がよかった。 


 おばさんは子供たちに胸とか触らせてた。服の上からだけど。

 おばさんが畳の上に座ってて、子供たちが乳首の位置を当てるというゲームをしていたものだ。


 畳の上にスカートで斜め座りしてて、素足がぬっとでていた。

 エロ本読んだ後だし、色々想像してモヤモヤしてしまう。

 小学生の俺には過激すぎた。

 赤の他人の胸に触るのは、俺には無理だった。

 友達に誘われて何回か行ったけど、おばさんが気持ち悪いので行かなくなった。


 なぜそのおばさんと小学生たちが出会ったのかは不明。

 ネットもない時代。


 そのおばさんは、宅急便の若いお兄さんとかにエロ本をあげていた。

 普通あげないだろう。

 というか隠すだろう。


 今思うと、誰かにかまってもらえるのが楽しかったのかなぁ。

 もしかして、おばさん男の子いたんじゃないかなぁ。

 それで、男の子とじゃれ合っていたのかも。


 それか、元旦那がひどい男で、純粋な小学生たちに癒されていたのか。


 そのおばさん、最終的には自殺なさいました。

 俺が中学生くらいの頃か。

 その小学生たちとどうなったかは不明。


 だから、あの乳首当てゲームの数年後にはもう亡くなってしまったのだ。

 おばさんにまとわりついていた野郎たちはどう思っただろうか。

 多分、トラウマになっているに違いない。


 そのおばさんが住んでたアパートはもう取り壊されてもうありません。

 でも、その場所を通るとそのおばさんが今もそこにいて、「もってく?」と言ってエロ本を渡して来る気がする。


 どうもすみません。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る