ホラー・ショート・ストーリーズ

宗教（おススメ度★）

　これも人から聞いた話だ。

　心霊の話ではないので怖くはない。

　複数の新興宗教に入信しているAさんという人がいたそうだ。

　生家の宗教があり、交際相手は別の宗教、自身は様々な宗教に入信していた。

　Aさんは持病があった。

　入院していると、同室の人などから宗教に勧誘されることがある。

　それが悪いとは言わないが、宗教の人は常に出会いを求めていると言ってもいい。

　やはり、自分が信じているものを人に勧めたい、人の役に立ちたいと思うのがあるのだろう。

　Aさんは、入院先で他の患者Bさんと親しくなった。

　お互い退院してからもずっとBさんが連絡をして来る。

　AさんはBさんを家に招いた。

　そして、宗教の勧誘を受けたのだ。

　なぜかAさんはその宗教の会員になった。

　それに、近所の人Cさんも、Aさんを別の宗教に勧誘した。

　Aさんは長屋に住んでいたが、その長屋の全員が何かしらの新興宗教に入信していたそうだ。

　Aさんは３つくらいの新興宗教の会員になった。

　さらに家の宗教、交際相手の宗教と合わせて計５つの宗教を信じていた。

　もともと貧しかったが、有り金をつぎ込んでしまい立ち行かなくなった。

　最終的に、持病、経済面、宗教の選択に悩み、精神面が悪化した。

　Aさんは今は生活保護を受けて公営住宅に１人で住んでいる。

　以上は精神科の先生が言っていた話だ。