金縛り(実話)(おススメ度★)

金縛りというと一番身近な心霊現象だ。

体一つでいつでもどこでも起こり得る。

俺は金縛りに数えきれないほどあってる。


テレビなんかでよく聞くのは、地方の古いホテルに行った時、部屋に何かいる、、、というのだけど、旅行先で金縛りにあったことはない。

そういうのが、一番怖いけど、俺はホラー好きな割にはものすごい怖がりで、ホテルの部屋が真っ暗だと寝れない。


俺が金縛りによくあってたのは20代の頃。

新卒で入った会社をやめて、仕事をしてなかった。

で、実家暮らし。

よく昼寝をしてた。

会社でいろいろあって、精神的に疲弊してたからストレスを和らげるためにとりあえずよく寝てた。


昼寝を3時間くらいすると、夜はよく寝れない。

でも、その生活は変えられなかった。


夜中3時くらいになると、ぼわーっと耳の中に音がし始める。

そして、キーンというものすごい耳鳴りがして来る。

耳を塞ぎたくなるほどだが、体が動かない。


やがて、耳の辺りに誰かがボソボソと話しかけて来る。


コソ、コソ、コソ・・・

ククク・・・・


俺はその人が50代くらいの男だと思っていた。

怖くて目は開けられない。

リアルで生身の人間なのだ。

空気でわかる。

埃で汚れて血だらけ。


それなのに、悪い怨霊とかじゃなくて、何か伝えたい感じでもない。

ただ、俺がそこに転がってるから、つついているだけのような、

深い意味のないそんな接触に思える。


やがて、猫みたいに首の辺りにまとわりついて、ふわふわした物が皮膚に当たってくる。


ぞっとする。

首を振ろうとしてもびくともしない。


腕で払い除けようとしても、どうしても体が動かない。


一度だけ目を開けてみたら、カーテンを開けてるみたいに明るくて、俺の顔の横に青紫色の首があった。

頭は脂ぎったザンバラ髪。

頭の上から血を流していた。


それが、俺をじっと見ていた。

俺は悲鳴を上げようとしたが声がでない。


俺は眠りに落ちた。


再び気が付くと、足元にお坊さんが何人も立ってた。

みんな身長2メートル以上あるんじゃないかと思うくらいでかい。

俺を覗き込んでいた。

俺は逃げようとして暴れるが、どうしても体が動かない。


そして、脳にこだまするような大声でお経を読み上げ始めた。

それが永遠かと思うほど長く続いた。


そういえば実家の辺りは古戦場でした。

耳元で話しかけてきたのは足軽の霊だろうか。

農民がバイトで足軽とかやってたみたい。

割りのいいバイトだったそう。


どこが。死んじゃったら、全然、割に合わないよ。




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