遺影って怖くない？

うちの実家にはおじいちゃんとおばあちゃんの遺影があった。

一回も会ったことのない祖父母。

俺が２歳くらいの時にはどちらも亡くなっていたから。

おじいちゃんは地元の名士。

おばあちゃんは不世出のすごい美人だったそうだ。

しかも、実家も超金持ち。

写真だとそこまでに見えないけど。

すいません。

家には昭和初期の古い写真もあって、小さい男の子ばっかりが何人も並んで映ってる。

俺のおじさんたちだ。

最強に仲が悪くて、いろいろあった人たちばかりだ。

後ろにはよくわからない大きな掛け軸が掛けてある。

何か書いてあるけど読めない。

先祖は書道の名人だったらしい。

昔は十人兄弟とかいたみたいだけど、そんな勢いで男の子ばっかり。

今生きてるのは・・・一人だけ。

その人はボケてしまいました。

今どこにいるか知らない。

その遺影は、兄貴が全部片づけてしまってもうない。

片づけるってありえなくない？

兄貴も怖いからお祓いして処分したんだそうです。

祖父の家は二回も火事にあって没落したそうです。

祖母の家ももうありません。

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