手(実話)(おススメ度★★)

俺は霊感全然なくて幽霊を見たことはない。

相当昔に聞いた話だけど、二十歳までに幽霊を見なかったら霊感体質ではないということだから、成人後は呑気に生きてきた。


暗い所、怖そうな所に行っても、俺には幽霊見えないから大丈夫。と思って自分を励まして来た。 


でも、前にこういうことがあった。


上野の某ファッションビルのトイレで奇妙なことがあった。

具体的に書くと営業妨害なのでやめます。


男子トイレなのに髪の長い小学校低学年くらいの女の子がいた。

ストレートのサラサラヘア。

灰色と黒のフォーマルみたいな服で、髪にはカチューシャをしていた。

その子が笑いながらトイレの個室に子供が入って行って、内側から鍵を閉める手が見えた。


何だかかくれんぼをしてるみたいだった。


でも、そのドアの鍵は青のままになってる。

中から音もしない。

あれ、ここさっき人入って行ったのに。

そっと押してみたら開いた。

中で用足してたら俺、変態だと思われる・・・と一瞬心配したけど空だった。


消えた?

さっき、女の子入って行ったのに。


いったい、あの子供はどこに行ったんだろう。

誰だったんだろう。

上野は第二次世界大戦の空襲の後の火災で燃えてしまったから、その辺も被害にあったに違いない。

その時に亡くなった子かな。


でも、あれは最近の子だった・・・戦時中にあんな格好をしてる子はいない。


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