ライスメーカー
一人暮らしの孝明は、大枚をはたいて種を買った。
その種は真っ白で、テニスボール大の大きさだった。
彼はそれを炊飯器に入れてみる。
翌日の朝になると、炊飯器の中身いっぱいが、ご飯で埋め尽くされていた。
孝明はうれしそうな顔で、茶碗にご飯をよそい、のりたまのふりかけを食べた。
夜になると、朝に減ったぶんが埋まり、炊飯器の中身は何事もなかったかのように戻っていた。
大きな種は一度炊飯器に入れると、無限にごはんを作り続けるものだった。
孝明はずっと一人暮らしだったが、種のおかげで最低限の食べ物には困らなかった。
何十年も経ったあと、ある営業マンが孝明の住むマンションを訪れる。
扉の隙間から、新鮮なごはんがあふれ、廊下にこぼれていた。
不審に思った営業マンが管理人を呼び、管理人が合鍵でドアをこじ開ける。
その瞬間、孝明の部屋から雪崩のようにごはんがこぼれてきた。
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