セイギタイ

 セイギタイとは、正義を具現化した生物だという。

 この間私が会社の帰りに、公園の中を見てみたら、そいつは木の下で動かず、遠くを見つめていた。

 見た目はほとんどクワガタを巨大化したような感じだ。


 翌日、私が会社の帰りに、夕食のお惣菜を買うべくスーパーに立ち寄ろうとしたときだった。

 スーパーの近くで、立ち入り禁止を示すトラロープが張られており、警察官2人が見張っている。その近くには人だかりができていた。

 トラロープの向こうはブルーシートで囲まれていて、何も見えない。スーパー自体も隠されている。

 ロープの近くでは2台のパトカーがサイレンを灯したまま停まっていた。


 私は気になって、野次馬の一人に話しかける。

「ここで何があったんですか?」

「男が万引きをして店から出てきたら、セイギタイが待っていて食べられちゃったんですよ」

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