第11話 心を育てる、こどもホスピスって、知っていますか?「うみとそらのおうち」 ステキな名前のホスピスもあって、良いじゃないの、良いじゃないの。

 ステキな名前のこどもホスピスが、作られた。

 「うみとそらのおうち」

 良いじゃないの、良いじゃないの。

 2階建ての建物で、1階部分には、交流エリアが広がっていた。

 ここで、たくさんの人が活動して、意見を交わしたりすることができるようになっていた。悩み、相談に、近況報告など…。

 看護士や保育士、たくさんのボランティアも集まって、運営されていた。

 交流エリアのホールやキッチンは、地域の人も、利用できるようになっていた。

 2階部分には、個室に、家族風呂まであった。

 利用者本位、だね。

 利用者は、愛する子に、いくつもの気持ちを重ねることができた。

 たとえ、我が子を重い病気で失ってしまった中でも、家族や知人と心を分かちあって過ごせる人が、増えてきたという。

 「つらいときにでも、話し合えるような人を作れました」

 支えを失って悲しんでいる人にとって、どれほどの、勇気となれたろう?こうした、重い病気や障害をもった子が家族と過ごせるこどもホスピス活動は、各地に、続いた。

 北海道から、福岡まで、幅広く。

 全国の各団体で、連携。サミットまで、開かれた。

 たくさんの人が、必要としている施設だもの。

 でも、でも、でも、でも…。

 治療のための場所でないということでは、どうしたって、しっくりとこない?

 医療の枠組みとは、外れちゃっているわけだし。

 医療どころか、福祉の対象にも、ならないらしかった。

 こどもホスピスで保護する子たちは、症状や体調が一定ではないので、障害児の施設とは、認められないから。

 福祉制度に当てはまらないことで、費用が工面しずらい弱点があったことは、否定できなかったかな。

 努力、努力!


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