第2話 作戦会議(?)

 時刻は19時37分。家に帰ってからも空人はいろいろと考えてみたが一人では無理だと判断し、ラブコメ部に所属している(させている)、末田花すえだはなにLINE電話をした。彼女は1コールですぐに出た。


「もしもし、末田、神崎だけど」

『はいはーい!どうしたんだい神崎君、愛しの幼馴染、花ちゃんに何のよーだい?』

「しれっと、幼馴染を詐称するな。高校で初めましてだろうが」

『そんな細かいこと気にしてたらはげるよ!』

「俺ははげないが、それはいいとして。部活の方に依頼が入ったんだよ」

『………………』

「末田…?どうした、電波でも悪いのか…?」

『いっいやぁ別に…。ところで先程はなんとお言いになさって…?』

「普通に依頼が入ったっていっ……あれっ、電話切れてる…」


 空人は不思議に思い、もう一度電話をかけなおすことにしたが…、トーク画面に映る「応答なし」の文字。

 空人は電話には出れないのかと思い、チャットで今回の依頼の概要を説明して、待つこと数分。やっと花からLINEが返ってきた。


 "パスで”


 ただ、それだけ。

 空人は仕方なくもう一人の部員で中学から同じ学校の来栖光輝くるすこうきに電話をかけることにした。彼もまた1コールですぐに出た。


「もしもし、光輝。ちょっといい?」

『なんだ、空人。彼女でもできたの?』

「依頼が来たんだけどさ、末田には協力を断られちゃって」

『普通に無視すんなよ。で、俺に頼みたいというわけか。まったく、花も断らなくたっていいのになぁ』

「ほんとに、そう。末田のやつ俺が依頼が来たよって言ったら急に電話切るしさぁ」

『空人…。お前たぶん嫌われてるな、うん』

「まぁ、もう末田の話はいいよ。で、今回の依頼なんだけどさぁ――」


 空人から説明を受けて光輝が発した言葉はただ一言。


『明日ね』


 そういって、電話は切られた。空人はただ呆然とするだけだった。


 時刻は20時01分。作戦会議は明日へと持ち越された。


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