ラブコメ部(非公認)の広報
いと
第1話 ラブコメは作るもの
私立
ラブコメ展開が異様に起きやすいという、どこぞのライトノベルでありそうな噂が。
しかし、この噂には知られていない部分がある。
ラブコメ展開は起きやすいのではなく、起こされているのだ。人為的に。
しかも、このラブコメ展開まさかの依頼制である。
1年B組の一人の少年へと頼むのだ。その少年の名は
「はぁ、うちも早く彼氏欲しいなぁ」
「なぁ昨日のアニメ見た?」
連休明けの月曜日の朝の
時は2週間前に遡る。
六時間目の授業も終わり、多くの生徒が部活へと足を運び、静かになった教室で空人はミステリー小説を読んでいた。そこへ、こんこんと小さなノックが聞こえたかと思うと、「すみません、神崎君はどこにいるか知っていますか?」と、か細い声が空人の耳に入った。「俺が神崎だが、用件はなんだい?」そう言ってから、空人は本を閉じ、顔を向けた。
「神崎君の部活のことでお話が……」
「あぁ、依頼ね。了解。詳しい内容を教えてくれるかな」
空人が優しく言葉を返すと、依頼者の少女はポツポツと話し始めた。
1年C組で名前は
ここまでの話を聞いた空人は少し、思案した後、千尋に後はこちらで対処するから、今日は帰るように言った。
そして、今に戻る。空人は迷っていた。依頼を引き受けたはいいものの、条件がかなり特殊だったからだ。
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