第2話 告白された?!

「ん……ここは…」


ふと目が覚めるとそこには白い天井と照明があった。

そういえば俺、梨里杏を庇って…その後野球ボールが頭に直撃したんだった。梨里杏が俺を保健室まで運んできてくれたのか?一応保健室の先生に誰が運んでくれたか聞いてお礼をしないといけない。

保健室の先生を探そうと横を見たらそこには梨里杏がいた。

多分梨里杏は、俺が起きているのに気づいてないのかとても不安な顔をして口を開いた。


「好きなの………碧斗君のことが好きなの!だから早く目を覚ましてよ!お願いだから!!……」


「はっ…!!」

「へっ?!」


頭が痛いことを忘れ俺は飛び起きてしまった。

俺が突然起きたことに梨里杏は驚き状況を理解したのか頬を紅潮させていた。


「も…ももももっ!……もしかして…い…今の聞いてたかしら…?!」


多分ここで俺が嘘をついたとしても絶対に聞いてたのバレてるだろうし。ここは本当のことを言うしかないか…


「ごめん!聞いてしまったっ!……でも盗み聞きしようなんて思っていなかったんだ!」


「………っ!」


梨里杏は、頬だけでなく耳まで紅潮させ、動揺していた。その動揺を隠すためなのか両手で顔を覆い隠していた。


「あ…碧斗君に今の聞かれちゃったの……恥ずかしいわ!」


「ごめんっ!梨里杏!!」


「あ…謝らないで碧斗君!...あと、碧斗君にさっきの事、聞かれてしまったのならここで言わないといけないわよね…」


「えっ…?!さっきの事?」


梨里杏は、胸に手を当て一度深呼吸をし心を落ち着かせていた。少しして覚悟が決まったのか真剣な顔で俺のことを見つめていた。


「わ…私ね…前からずっと碧斗君のことがす……すす…好きなの!!だから私と付き合ってください!!」


「えっええええーーー!」


驚きのあまり思わず叫んでしまった……梨里杏に振られると思って告白しようとしていたのにまさか梨里杏から逆に告白されるとは思わなかった。いや、そんなことを考えるよりも早く告白の返事をしないと…


「お…俺も梨里杏のことが好きなんだ!!だから…俺でよければお願いしますっ!!」


「………えっ!!」


梨里杏は、俺が告白の返事をしたと同時に、今にも爆発しそうなほど顔を紅潮させ両手を頬に当てていた。

やばい…可愛すぎて梨里杏の顔が直視できそうにないぞこれ...


「私碧斗君と付き合えるの!!やったわ...これからずっと、碧斗君と一緒にいれるんだ!」


「俺も嬉しい。好きな人と付き合えると言うのがこれだけ嬉しいものだとは思わなかったな。……っ?!」


あれ?急に視界がぼやけるしそれに頭も痛い。そういえば俺、空き教室で頭をボールにぶつけたんだった。俺の気分が悪くなったのに気づいてくれた梨里杏はすぐに俺をベッドに寝かせてくれた。


「大丈夫かしら…碧斗君?具合悪いのなら私が看病してあげるから」


「ありがとな、梨里杏。横になったら少し楽になったよ…」


梨里杏はさっきの事に責任を感じているのかとても不安そうな顔をしていた。

俺はそんな顔をする梨里杏が心配になって聞く事にした。


「もしかしてだけど、梨里杏はさっきのボールのことで責任感じてるのか?」


「そ……そうよ…私の不注意のせいで碧斗君のことを怪我させてしまったんだから」


梨里杏は不安な顔をしながら正直に答えてくれた。梨里杏は悪くない俺の好来な人が傷つくのは見たくないからな。そのことを伝えるために梨里杏の方を向いた。


「俺が梨里杏を守ったのは他でもない。梨里杏のことが好きだから守ったんだ。だから梨里杏は、責任を感じる必要なんか一つもないんだ…」


「あ…碧斗君のおかげで、少し元気が出たわ...」


そう言いつつも梨里杏は、今にも泣きそうになっている。そんな顔を見ていると可哀想に思い俺の手が,いつの間にか梨里杏の頭を撫でていた。


「落ち着いたか…?不安なことがあったら俺が全部聞いてやる。だから泣くな…」


「あ…ありがとう…碧斗君…これから先、困ったことがあったら碧斗君に相談するね!」


梨里杏の頭を撫でながら話しているのが、心地よかったせいか俺に睡魔が襲ってきて、欠伸をしてしまった。


「碧斗君もしかして眠くなってきちゃった?眠いのなら寝ていいわよ。起きるまでそばにいてあげるから」


「ありがとな。それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ」


「おやすみ碧斗君」


「おやすみ...梨里杏...」


目を瞑ろうとした瞬間、突然俺の手に何かが触れた。目を開き梨里杏を見ると手を握ってくれて、優しい笑みを浮かべていた。好きな人が手を繋いでくれるだけでこんなに安心できるものとは思わなかったな。

そしてまた眠るため目を瞑ったと同時に梨里杏からいきなり



「大好きだよ…碧斗君……」




俺のの耳にそう囁いてきた。

 何で俺の彼女こんな可愛すぎるんだよ…



そして返事をすることなく睡魔に負け寝てしまった…

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