お前を消す方法.exe

ifストーリーです

再生しますか?

→はい

 いいえ


***


「生まれてこなければよかったのに」


「――ェ、ァ????????????????」


 絶望を顔に貼り付けて、声にならない叫びを上げたソイツを、みんなは「そーれ!」と力を合わせて池に投げ込んだ。

 ソイツは無抵抗のまま、ブクブクとあぶくを立てて沈んでいく。


 あーあ。


 この前、遺書を書かせて首を吊らせて『死ぬまでの時間』の賭けをしてたら、図体がでかいせいでヒモがプチっと切れちゃってさ。

 結果として麻痺が残って、足は引きずるわ手は震えるわで、余計にイラつく感じになったわけ。

 遺書があるから今回のは池に身投げしたことになるんじゃあないかな。


 一際大きなあぶくが水面に上がったら、もう浮かんでこない。


 まっ、自業自得ってことよ。

 一件落着ね。


 パパもママもコイツのことは嫌いだし。

 死んでくれたほうがいい。

 あたしもコイツが兄とは思いたくないからね。


 何が『ひいちゃん』だ。

 あたしは一二三さんなの。


 これで終わり。


 コイツの中の売れるものや使えそうなものは全部売っ払ったから、あたしたちの財産になれただけマシじゃあない?

 そのオレンジ色の目も打っちゃえばよかったかな。


 パパとママとあたしとで、三人家族の生活が始まる。


 シノバズ池に沈む様子をみんなは大笑いしながら、ある子は小石を投げつけ、ある子はビデオで撮っていた。

 チリンチリン、とチャリのベルの音がする。


「キミたち!」


 怒声。


 付近住民の通報を受けた警察は、ことが終わってからやってきた。

 通報内容はおそらく『若者たちがシノバズ池で騒いでいる』だろうなあ。


「やっべケーサツだ!」

「えっ、やばくね?」

「逃げよ逃げよ!」



 ***


みんなふこうになってしまえばいいのに


【ロード中です】


【ロードできませんでした】


【セーブデータが破損しています】


【セーブデータを修復しています】


【少々お待ちください】


SeasonYに戻りますか?

→はい

→いいえ

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