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アドリアンやイェドウェリシア公女が親から受けていていた対応のときも感じたのですが、キャレ(カーリン)のお話を読んで、子供に優しくなさすぎる社会だと思った次第です(´;ω;`)
中世では、子供は小さい大人として扱われており、保護対象として見られなかったとありますし、現代的価値観を、身分制度が厳しい封建社会に持ち込むのは筋違いではあるとは思います。また現代的価値観が絶対的に正しいとも思いません。世の常識は移り変わるものなので...
アドリアンは出生時に母親が亡くなったから、イェドウェリシアは先天的に身体に障害があり、不吉な忌み子と扱われたから、キャレ(カーリン)は私生児として生まれたから、彼らのように、本人の意思や力ではどうしようもないことで責められるのは理不尽ではあります。
ただ思い返してみれば、オズマも義父から暴力を受けていましたし、大公も親の所業の影響で蔑称で呼ばれていたり、ハルカの受けていた何世代もわたる差別など、身分の貴賎に関わらず、こうした理不尽は社会にあふれているのだろうなと想像しました。(どの時代、どんな親に、どのようなかたちで生まれるかなんて選べないのです。)
理不尽を脱却する強さというのは、だれしも憧れるものですが、強さは個人の意思や努力によって必ずしも持てるものではありません。
キャレ(カーリン)のように、助けてくれる存在がおらず、日々の暮らしを生き抜くのに精一杯で、学びの機会も与えられない場合、本人に運でもない限り、その境遇から抜け出すのは難しい気がします。
しかし、だからこそ頭脳に優れるわけでも、腕っぷしが強いわけでも、特別な才能を持つわけでもないどこからどう見ても「弱者」である女の子が、己の理不尽に対し、どのように立ち向かうのか燃えるところではあります。
頑張れ!!!負けるな!!!カーリンちゃん(; ・`д・´)!!!
作者からの返信
>子供に優しくなさすぎる社会
>中世では、子供は小さい大人として扱われており、保護対象として見られなかった
まさしく、そうです。
この世界において子供は『保護されるべき存在』ではありません。
もちろん親にとって子供は可愛い存在だし、エーリクの妹や、シモンのように甘やかされて育つ子もいますが、基本的には「早く大人になる」ということが、貴族であっても、平民であっても求められます。なぜならば、子供のままでは彼らは「弱い存在」であるからです。
別の感想返信でも書いているのですが、この世界では『弱さは悪』なんです。
なにか理不尽なことをされて傷つけられても、「傷つくほうが弱い、弱いほうが悪い」って言われてしまうような………そんな人たちの方が、『普通』の世界なんですよね。
現代社会の常識をあてはめたら、もう救いない社会です、ハイ。
子供のほうもそれは十分にわかっているから、アドリアンのような貴族の若君は早くから教育を受けて、ひたすら成熟しようと努力します。平民の子なんかは、もっと切迫しています。彼らは生き残るために、早く大きくなるしかないんです。子供のままでは、いつまでもいいように利用されるだけですから。
カーリンはカーリンなりに戦った……つまり、ファルミナという場所から逃げるということが、ある意味、カーリンの挑戦であったのかもしれません。彼女にとって、今回の一か八かの選択は、おそらく生きてきた中で、最も勇気のいった決断であったでしょうから。
さて、彼女の挑戦は失敗であったのか、どうなのか……?
次回もお楽しみに!
お母さんは本物のキャレくんがあまりに弱すぎて心配でたまらなかったんだろうな……だから、我慢して身代わりをしてくれるカーリンちゃんに甘えてしまったように思います(;´・ω・)
エーリクさんがカーリンちゃんをかばってくれて、すごく嬉しかった。
カーリンちゃんをオルグレンへ返しても余計にイジメられるだけだし、このままキャレくんとして近侍を続けさせてあげることはできないのでしょうか……(;´・ω・)