遊
Kolto
かぞく
「あ〜〜〜...釣れねぇ〜」
釣りにハマってから魚を釣ってはコルトに調理してもらう
アイツが作る料理はめちゃくちゃ美味い
いつも嫌そうな顔するけど、何だかんだやってくれる
作る事が好きなんだろう
いつも作った物を納品したりとかしてる
討伐任務はあんまりやってないみたいだ
本気出せば俺なんかより遥かに強いのに...そっちの方が稼げそうなのになぁ
俺と同じくコルトのハウスをシェアしてる白雪ちゃんは討伐任務がほとんど
作る事に関しては...上手い下手の差がすごい
俺は魚納品したり...時々討伐だったり...
そうやって何となくバランスがいい3人でシェアしてる
あんまり俺はシェアハウスにいないけど
「今日はやーめた!コルトんとこで朝飯食わせて貰おう〜」
___________________
「よう!コルト!朝飯ある!?」
「何だよ急に...ねぇよ」
「あ?今日白雪ちゃんいないのか?お前さ〜白雪ちゃん居ないからってよ、飯食わねぇのはどうかと思うぞ?」
「食欲無いだけだ」
「はいはい、じゃあ今日は食い行こうぜ!クガネ行こう!!!」
「何でクガネ...」
「風呂にも入り行こうぜ〜!今日は男2人だけだし!たまにはいいじゃんかよぉ〜!頼む〜!」
「...チッ...準備してくる」
「さっすがコルトー!風呂代は俺が出す!」
「...飯代の方がかかりそうだが」
結構どんなわがままでも聞いてくれる
面倒見がいいし、俺の兄貴みたいな存在
俺が紅玉海から亀に乗ってエオルゼアの海に打ち上げられてた時に助けてくれた
亀に乗ってきたって言ったら笑ってたっけ
ゼラのアウラに会ったのはコルトが初めてだった
黒い角、鱗、尻尾、何もかもかっこいいと思った
紅玉海から出たことも無く、魚ばっかり取ってて、外の人と関わる事もほとんど無かった
大体はコウジン族だし
ゼラはアジムステップにいるって聞いてたけど、そう言えばコルトは何でエオルゼアに来たのか知らない
俺は外から来た人が落としたであろうサングラスを海中で拾って憧れたのが始まり
あいつは何か憧れがあったのかな?
意外と俺はコルトの事は何も知らないかもしれない
_____________________
「クガネだー!寿司!風呂!和服の可愛い子!」
「...ちとせ...お前、女はダメなんだろ?」
呆れたような視線が刺さって痛い
「そ、そんな事ねぇし!俺だって昔女の子と隠れんぼしてたし!!」
「......で、どこに行きたいんだ?」
「寿司!酒飲めるとこ!」
「お前酒もダメだろ...」
「ちょっと!ちょっとだけ!」
クガネで食べる寿司はやっぱり美味い
エオルゼアの魚も美味いけど、俺は地元の魚の方が好きだ
酒はスプーン1杯ぐらいでやっぱりダメだった
代わりにコルトが全部飲んでくれた
俺もコルトみたいに酒飲んだりタバコ吸ったり大人っぽい事やってみたいけど、どっちもダメだった
...タバコ吸ってるの見かけた時は...何かよく分かんねーけど睨みつけられただけで殺されそうな感じだった
1人の楽しみなんだろうか
そういうのも憧れる
「コルトぉ〜〜〜気持ち悪いよぉ〜〜...」
「水でも飲んでろ、ほら」
「ありがど〜」
「ったく...帰るか?」
「やだ!!!風呂入ったら治る!」
____________________
「あ"〜〜〜〜〜〜生き返る〜〜〜」
「...気持ちいいな」
広々とした露天風呂
解放感がたまらない
コルトが風呂好きなのは知ってる
コイツはいつまでも風呂に入るが、逆上せやすいらしい
「なぁコルト、お前はどうしてエオルゼアに行ったんだ?ゼラはアジムステップの出身なんだろ?」
「何だよ急に...俺はそこでは暮らしてない。」
「そうなの?ん〜そう言えば小さい頃にじいちゃんが他の地でも暮らすアウラ族もいるって言ってたっけ...お前の親がそういう人達だったのか?」
「...本当の親は知らない。俺はアウラじゃない別の人に育てられた。どうしてそうなったのかは何も知らない」
「そうなんだ...。大変だったんだな!」
「...大変...なのか。そうでもない」
これ以上は何も聞けなかった
でもコルトの事は少し知れた
寂しそうな顔、俺の前でもそういう顔するんだな
あまりコルトとこうやって話す事も、風呂に入ることも無かった
よく見ると鱗とか身体に所々傷がある
身体なんか俺よりも細い
こんなんで体調悪くならないか心配になる
でも細いからこそ身体が軽いから素早く動けるんだろう
俺はその速さからくるかかと落としや回し蹴りを何度も経験した
俺も強くなりたくて相手してもらう時があるけど、脚や武器を持たせたら本当に敵わない
腕力とか体力面は勝てるんだけどなぁ
経験の差ってやつかな
「...何だよそんなにジロジロ見て...気持ち悪いな」
「ひでぇ〜。いやな?俺の方が逞しい身体だなって思っただけだ!」
「あぁ、そう」
すっごいダルそうな目付き
白雪ちゃんがこんなコルト見たらどう思うんだろう
と言うか、コルトは白雪ちゃんの前では猫被ってんのか?ってぐらい人が違う
...本当に猫を頭に乗せてたのは見たけど
あの時はすっごいデレデレした顔しててビックリした
俺が見てる事に気付いたコルトには殺されそうになった
俺に対してはいつも気だるそうだけど、白雪ちゃんにはいつもニコニコしてて
でも、何だか寂しそうには見えるな
コイツは顔に出やすいし尻尾にだって感情出やすいタイプだ
多分だけど自分では分かってないと思う
「...ってコルト!逆上せてないか!?」
「ん...?まぁ...もうちょっと」
「おいおい!上がるぞ!!そろそろ帰ろうぜー!!」
____________________
今日は何だかんだコルトとじっくりゆっくり過ごせた気がする
家に戻ると予定より早く帰ってきた白雪ちゃんが膨れてた
「え!?クガネに行ってたの!?2人で!?」
「あ、あぁ、ちとせが行こうって言うから」
「えーーー!ズルい!私も行きたかった!」
「悪いな白雪ちゃん!今日は男2人の大事な時間だぜ!」
コルトの目が「気持ち悪い事言ってんじゃねぇよ」って訴えてくる
「むぅぅ〜〜...!」
「白雪、今度また行こう?」
「んー、絶対だよ?」
「そんな白雪ちゃんに、今日は俺からお土産!じゃーん!!金平糖!!」
「わー!!ありがと、ちーちゃん!!この金平糖1番好きー!」
やれやれという感じでコルトは白雪ちゃんの好きな料理の準備を始める
ニコニコしたコルトも気だるそうなコルトもどっちも本音なんだろう
「なぁ、コルト、そういやさっきモグレターで女っぽいやつから手紙きてたぞ〜!ほれ!」
「「えっ?」」
この凍りついたような2人の表情、いい加減にすればいいのによ
この2人見てると俺も楽しくて仕方ない
俺もモテたい
遊 Kolto @kolto441
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます