第2話

 君が居なくなってから、必死で君の姿を追ったのだけど遂に消息は掴めずに、月日ばかりが過ぎ去って行った。

 大学生になった俺は忙がしい毎日の中で、君は段々過去の人になっていった。

《あつし》

「淳史、待った?」

 今の彼女が、待ち合わせていた公園に走ってやって来た。

「リコ遅い! 待ち過ぎて肺癌になっちまうよ」

 実際一時間も待たされて、少し頭に来ていた俺は、煙草をパカパカ吸いすぎていた。

「ゴメンねぇ~」と言いながら、腕を絡ませ覗き込むリコを見てたら、怒りなんか何処かへ飛んでいってしまい、にやけた顔で二人で歩き出した時、声を掛けられた。


「淳史君?」

 声のした方へ顔を向けると、高校の時の同級生だった加藤がやっぱり彼氏と一緒に立っていた。

「やっぱり淳史君だ! 久しぶりだねぇ~」

 リコは誰? って顔で俺を見たが、彼氏と一緒だったため、安心したみたいだ。

 それよりも、加藤の方が俺に何かを話したがっている様な感じがした。


「淳史君に会ったら、言おうと思ってた事があるんだけど……」

 普段は遠慮なんかする様な性格じゃない彼女が言いづらそうにしてるから、嫌な予感がした俺は、つい、加藤の肩を掴み聞いた。

「……会ったのか? サトに」

 加藤は俺を真っ直ぐ見つめ頷いたと思ったら涙が浮かんで来た。

 ――まさか、 死んだのか?

 加藤は俺がショックを受けているのを見て、彼氏に何かを耳打ちした。

 聞いた彼氏はリコの方に行き少し離れたベンチに座った。


「淳史君、話して良い事なのかは私には分からない。でも、このままサトの事を誤解されたままサトが生きて行くのは、余りに彼女が可哀想……」

 涙ぐみながら、加藤は話してくれた。

 何故、俺からサトが離れて行ったのか。

 聞きながら俺は流れる涙を拭いもせず、ただサトの顔を思い浮かべていた。


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