日常に潜む小さな謎。ささやかな違和感。
それはこの作品の中だけの話ではなく、現実にもよくあることです。
ただ私達は忙し過ぎて、または鈍感過ぎて、うっかり目を瞑ってしまいがち。
だからこそ、この作品の探偵さんの言葉が胸に響きます。
「どうして飲み込んでしまうんだい?」
「Kさん、きみは目の前で巻き起こった謎を見て見ぬふりしたよね。けっして気付かなかったわけじゃない。気付いて、考え、飲み込んだんだ」
主人公のKさんは、この探偵さんの導きがなければ永遠に「スーパーの謎」に気付けないままでした。実は「大きな悲劇の可能性」が潜んでいたのにも関わらず。
この探偵さんが悪魔?
確かにめちゃくちゃ嫌な言い方とかしますけど、私は逆にこう思います。
「こんな悪魔になら、魅入られても損はない。むしろ天の使いじゃないか」
優しい雰囲気で綴られる、でもアイディアが尖ってる、
世知辛い世の中におすすめの一作です。