第6話 二人の想い
あれから
昌輝と
何度も
関係を持った
1つの障害の壁を
超えたからだ
私達は
広志がいない時……
誰もいない日……
誰もいない時間(とき)……
もう何度
身体を重ね
関係を持っただろう…?
私は昌輝の存在が
日に日に
大きくなっていく……
何度も 何度も
言い聞かせたけど
身体は正直に
昌輝を求めていた……
そんなある日の夜の事――――
『あなたに抱かれたい』
身体が そう求めていた
だけど あいにく
みんな家にいる状況
その日のお風呂あがり―――――
スッ
誰かが私を背後から抱きしめる。
「…夏蓮…」
ドキン
「昌輝?駄、駄目だよ…みんないる」
「分かってる…でも…スッゲー、お前を抱きたい」
ドキン
「…昌…輝…」
振り返らせるとキスをされた。
熱っぽい視線で私を見つめる昌輝の眼差しにドキドキしている自分がいる。
「…夏蓮…」
そう私の名前を呼ぶと、もう一度キスをし更に深いキスをされる。
唇が離れ、首筋に唇が這う。
私の想いも身体も昌輝を求めている。
身体に触れながら、深いキスをされ、私は吐息交じりに声が洩れた。
「…昌輝…駄目…だよ…声…」
再び昌輝にキスをされ、深いキスをしながら、下半身に大きい手が伸びる。
「ん…っ!」
唇が離れる。
「…後で、もっと聞かせて…夏蓮…」
サラッと言う高校生とは思えない昌輝の言葉。
ドキッ
「…昌輝…」
昌輝は、再びキスをすると脱衣場を去った。
私はズルズルと腰をおろすと熱を帯びた自分を抱きしめるようにする。
「…昌輝…」
私も脱衣場を後に、自分の部屋に戻る。
「夏蓮、昌輝が相談事あるから部屋に来て欲しいって」
「えっ?」
「とにかく、伝えたから。俺は、明日も早いから先に寝るよ。おやすみ」
「うん…おやすみ」
私は昌輝の部屋に向かう。
パタン
「相談…ねぇ…」
広志は、ポツリと呟いた。
私は、昌輝の部屋に訪れた。
入って早々、昌輝の唇が私の唇を塞いだ。
フワリと抱きかかえられ、ベッドに乗せると何度も何度も色々なキスを繰り返す。
唇が離れ、私を見下ろす視線が、ドキドキと私の胸が加速する。
「…夏蓮…」
「何?」
「好きな女(ひと)とHしたい時に出来るのって良いな」
ドキン
「されない時の、もどかしさも案外良いよ」
「どうして…?」
「いざって時に燃え上がるから」
「じゃあ…兄貴とは、もしかして燃え上がるの?」
「…それは…ど…ぅ…」
キスされた。
「兄貴の事は、口封じ。今は、俺だけ見て欲しい」
そう言うと、キスをし、深いキスを何度も繰り返す。
昌輝は、進めていく。
「余り声出せないけど、時々、聞かせて欲しい。我慢しているのを見てると可愛く見えるけど」
「バカ…」
「バカは余計」
グッと私の身体に何度も熱が貫く。
声を出せない程、辛いものはない。
だけど、出せない現状の中、私達は愛し合っている。
「夏蓮…愛してる」
ドキン…
「昌輝…」
ある日の二人きりの夜。
昌輝の熱っぽい眼差しにドキドキしながら、深いキスを何度も繰り返し、私達は肌を重ね合い愛し合う。
「…俺…兄貴よりも早く生まれて、あんたと出逢っていれば良かった……そうしたら結婚とか、俺達の子供つくれたのにな…」
「…昌輝…」
「あんたの事、本気で、好きなのにさ…相思相愛なのに…いつも近くにいんのに簡単に触れる事が出来ねーの。夏蓮を俺だけのものにしてーよ。触れたい時に触れてーよ…。……何で……よりによって兄貴の女なんだよ…」
私は昌輝を抱きしめた。
「昌輝…ごめんね…」
昌輝の想いが痛い程、分かった。
私も昌輝が好き。
だけど……
広志と別れられないから
身体だけの関係になってる
本当は相思相愛なのに……
「もう…自分の想い抑えきれねーよ…いつも…いつバレんだろう?って……。ハラハラして、ビクビクして毎日過ごすのがスッゲェ嫌なんだよ……堂々と付き合いてーのに……」
「…昌輝…辛い想いさせて……ごめんね…」
「夏蓮は、悪くない。むしろ夏蓮が辛いんじゃねーの?」
「…えっ?」
「兄貴がいたら…身体の関係なくても、兄貴の妻でいなきゃいけないわけじゃん…。二人きりでいる時も兄貴がチラついてんだと思うし…夫婦だっていう事があるから」
「…昌輝…」
「だけど…俺と二人きりの時くらい…兄貴の事は忘れて俺だけを感じて欲しい…お互い愛し合ってんだし」
「…昌…」
言い終える前に、キスで唇を塞がれ、何度も昌輝の熱が身体の中を貫かれ、声が洩れる中、私の身体は満たされていく。
「……夏蓮…お前の全部(すべて)を俺だけのものにしてーよ……」
私達に…
未来は…
ある…?
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