第9話

 動物大好き! 虫はとにかくぶっ殺す。

 笑顔でゴキブリも指でグチャグチャにするクレイジーガール。

 心は男、見た目は女。

 大規模ギルド『アニマルモンスター』のギルドマスター、東条朱里さん。

 武器は拳、装備なんて要らねぇ! 必要なのは己の筋肉!

 特徴的なのはなんと言っても、朱里さんの超能力アビリティが朱里さん専用、唯一無二、特殊超能力ユニークアビリティである。

 自身を獣化させる事により、純粋な身体能力強化だけではなく、鳥の特徴なら飛べたり、ハイエナの強靭な顎、ラーテルの特徴もある。


 ちなみにだが、俺も特殊超能力に位置する。


 同じく『アニマルモンスター』の副ギルドマスター。

 脳筋タイプのギルドマスターの完全雑務補佐を行っているロリっ子。

 己の身長にコンプレックスを感じているが、自慢でもある。

 実は25歳である魔女っ子コスプレをしているイタイ人。

 アビリティの数はこの中で1番多く、使える魔法は沢山ある。

 基本は雑務、戦うと結構強い、見た目に騙されるな。

 無意味に近づき、煽れば灰となる。

 ロリ魔女っ子東条美穂さん。

 なんと、東条朱里さんの実の妹らしい。


 失礼だが、見た目は似てない。


 次は同じく大規模ギルド『修羅』の秘密兵器、攻撃力は当然ながら、その素早さや反応速度、どれもが異次元の近接アタッカー。

 メイン武器が双剣の大剣と言う、本当に速いのか不思議な武器構成。

 アドベンチャーラーの中で言われている異名は最高火力保有者アタックホルダー御剣みつるぎ智識神オーディン

 ニックネーム? 違うねキラキラネームだよ。

 しかし、変える事はしない。

 何故なら、本人が自分の名前を気に入っているからだ。

 ニックネームなんて許さない。己の名前は智識神オーディンである。

 メイン武器は槍では無いので原作へと愛は感じられない。

 体が細い男であった。


 同じく『修羅』のギルドマスター。

 今回の話に1番乗り気じゃないが、彼氏であるオーディンが行くと言う事で参加した。

 その女は攻撃は不得意だが回復は大の得意。

 アビリティの殆どが回復系で彼女に叶う回復役ヒーラーは居ないとされている。

 自生代の天使はまさにこの人!

 だがしかし、その見た目に似合わない彼氏持ち。

 まさに美女と野獣を体現したような2人である。

 しかし、野獣の方が見た目が完全にモヤシである。

 彼女に治せないモノはない。

 その名も、佐剣さつるぎ魔剣レーヴァテイン

 己の名前に恥を感じていたが、高校生時代にオーディンと出会い、己の名前に自信が持てるようになった。

 2文字の漢字にしてはとても長い名前、レーヴァテインさん。


 高校生時代から恋人ならさっさと結婚したらどうでしょうか?


 と、説明が書いてある紙を見ながら皆さんの顔を照らし合わせる。

 ふむ。

 俺は雪姫を見る。すると、雪姫も目を合わせて来るのでドキンッとする。


「これは、ほんと?」


「はい。紛うことなき真実です」


「個性的ですね」


「個性が無いと強くは成れませんよ。一応私と、天音さんのもあります」


 なんで俺のも?

 てか、今更だが下の名前で呼んでくれるのね。

 俺も呼んで良いかな?

 えーと、なになに。


 まとめ役、リーダー、この中では1番若く、1番弱くかもしれない。

 管理ダンジョンをあまり攻略してないのでアビリティと装備が揃ってない唯一の存在。

 甘百合雪姫。


 期待の新人ニュービー職種は多分、召喚士サモナー

 日本語を丁寧に流暢に話す事の可能なリッチをあっさり召喚する程の実力者。

 見た目は中性、寧ろ女の子より。

 一人称は俺だが、学校の腐女子から影では名前も相まって同人誌の『受け』のネタにされがち。

 実力が気になるところだ。


「まてまて! なんだこの最後から4行目からの内容は! 事実なのか? 本当なのか? 雪姫、さんの事は短いですね!」


 下の名前で呼んでしまった。


「自分についてあんまり書く事がなくて。もっとキャラ作りを幼い頃からしておけば良かったと、最近思ってます。最後のは本当ですよ。私もファンの1人なので本もあります。読みます?」


「読まないよ! 読みたくなよ! 知りたくも無かったよ! 寧ろこんな紹介文で皆さんは納得しているのかとても気になっているよ!」


「言ってませんよ。絶対に却下されますから」


「分かっているのになんでしているのさ! それに対して俺は普通にして来るんだな!」


「同級生、ですから。ダメ、でした?」


「いやダメでは無いです。はい」


 その可愛さは反則だよ。

 フェンさん、アイスさん、朱里さん、美穂さん、オーディンさん、レーヴァテインさん達は各々の特訓を再開した。

 しかし、その目は完全に俺を見ていた。


「実力が気になるようですね。それでは、アドベンチャーラー協会に行って、アドベンチャーラー登録を致しましょう」


 確かにしてなかった!

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